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介護者の「命令口調」を放置してはいけない

介護の仕事では、接遇・コミュニケーションが重要視される。

それは高齢者は人生の先輩であり、かつ介護サービスを利用するお客さんであるからだ。どんなに親しくなっても、基本的には敬語を用いるのが適切である。

しかし、介護者のなかには敬語よりもラフな口調を良しと考えている人たちが少なくない。また、利用者を「ちゃん付け」「ばあちゃん・じいちゃん」と呼ぶことも未だに見られる。

とは言え、何も敬語を強制するわけではないし、利用者本人やご家族が了承すれば呼び方にこだわることもない。あくまで、利用者の立場を理解したうえでの接し方が考えてれば問題ないと思う。

しかし、どうしてもやめたほうが良い接し方がある。
それは「命令口調」である。

具体的には・・・

「ほれ、足上げてちょうだい!」(排泄介助や着替えなどのとき)

「も~、早く食べてしまって!」(食事の遅い利用者に対して)

「忙しいんだから、後にして!」(作業中に利用者に声をかけられたとき)

「混んでるから、ちょっと急ごう!」(通院や外出の動向介助時など)

・・・介護者のなかには、思い当たる節がある方々がいると思う。あるいは身近な介護者に心当たりがいるいう方もいらっしゃると思う。

いずれにせよ、このような命令口調な介護士はどの現場にも一定以上いるのは確かである。それどころか、介護施設などの利用者がほぼ固定でルーチンワークとなっている現場は、命令口調な土壌になりがちである。

上記のような命令口調を利用者へ使っているならば、すぐに改善することをお勧めする。

とは言え、一朝一夕では改善されない。1~2回のセミナーに参加したところですぐに忘れるだろう。今この時点から、利用者へ話しかけるときは全て敬語を用いるくらいの覚悟が必要だと思う。

意識だけでは変わらない。行動自体を変えなければいけない。

人によっては他事業所のやり方を学びに行ったり、介護現場ではない他部署や業種を変えるといった環境自体を変えることもあって良いだろう。

「急に口調を変えたら利用者が驚くかもしれない」と心配する必要はない。
むしろ、命令口調をやめれば利用者は安心するだろう。また、ラフな言葉遣いが敬語になったくらいでは、他人は大して気にも留めないから安心してほしい。

「では、ラフな口調のままでいいのでは?」と思われるかもしれないが、
利用者への命令口調の根源は、やはり平時の言葉遣いにあると思う。

言葉遣いが乱れると、利用者に対して無意識に攻撃性を抱くようになる。
言葉遣いがラフになると、相手との距離感が近しくなった感じなる。

すると気づかぬうちに「相手(利用者)に好き勝手に言っていい」と誤解するようになり、それが命令口調になっているのではないだろうか?

それを放置するとどうなるか?
いきつく果ては「高齢者虐待」である。

今一度、介護者は接遇・コミュニケーションはもちろん、お互いを尊重し合うための礼節を学ぶべきではないだろうか?


ここまで読んでいただき、感謝。
途中で読むのを辞め方へも、感謝。

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