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これからの時代、デザイナーが伸ばすべきスキルは何か

時代の変化、迫る賞味期限

世界的な病の影響と、不況の兆しによってむ最近はしんみりムードですね。働き方の価値観も変わり、漠然とスキルアップしたいと考えているデザイナーは多いと思いますが、これからの時代、デザイナーは何を考えてスキルアップしていくと良いのでしょうか?

また、テクノロジーの進化によって、PCや高性能なデザインツールが安価に手に入る様になり、情報も流通し、誰でも質の高いものを作れる様になりました。

ただ目の前のタスクをこなしているばかりでは、いつの間にか時代に取り残されてしまう可能性もあります。

そんな先の読めない時代だからこそ、これからも変わることのない普遍的な4つの工程から紐解いていきたいと思います。

4つの工程(聞く→考える→つくる→伝える)

聞く考えるつくる考える1

これはデザイナーが要件を聞いて制作物を提示するまでの工程です。

多くのデザイナーは誰か(クライアントや上司、営業等)から要件を聞き
それを考えつくり、そして誰かに確認してもらいます。

デザイナーにとって手を動かして「つくる」工程は当たり前で、「制作物のクオリティを上げたい」という思いから、つくる工程ばかりに目が行きがちですが、現代においては、むしろそのほかの工程が非常に重要になってきていると感じています。

重要度の変化(伝える→聞く→考える→つくる)

聞く考えるつくる考える2

「つくる」スキルの一般化

Adobeのカンファレンスを見ると想像がしやすいですが、つくる工程はAIの進化で今後は今以上に一般化していくことが予想されます。

もちろん工程としてなくなることはないですが、おそらく近い将来パラダイムシフトが起き、今以上に手軽に質の高いものを作れるようになるはずです。
つまり、デザイナーが「つくるスキル」で他職種より優位に立つことが極めて困難になります。

現段階では、デザイナーの仕事として一番わかり易く、求められている能力であるため、つくるスキルを高めることが無駄だとは思いませんが、賞味期限が迫っているスキルであることを留意すると良いと思います。

伝えるために「考える」

思いついたアイデアはすでに世の中にあることが大半で、ググればいろいろな成功パターンを知ることができます。そんな状況なので、近い将来「要件を伝えることで効果的なアイデアを大量に出してくれるAI」が生まれてもおかしくないです。

後述する「聞く・伝える」に繋がりますが、表現の手法を考えるより、「何を聞き」「どう伝えるか」を考え、デザイナーの視点からオリジナルのストーリーを生み出すことが必要になると考えています。

「聞く・伝える」スキルの重要性

「聞く・伝える」スキルは今後ますます重要になってきます。

どれだけ考えて時間をかけて質の高いものを作っても、うまく聞き取れていないと、見当違いの提案になってしまいます。
他業界、他職種の人と対話する力、漏れなく質問していく力、相手のインサイトを引き出す力、理解力、様々なのもが必要になってきます。

また、同じアウトプットでもどのように伝えるかで見え方が全く違ってきます。デザイナー以外に伝える力、ビジネスサイドの人間にロジカルに説明できる力、熱量などの有無によって受け手の印象は大きく異なります。

また、誰が伝えるかも重要です。
どういう人物なのか、話す雰囲気、年齢、性別、見た目、フリーランスであれば実績、会社員であれば所属している会社、肩書など様々な要素が相手の印象を左右します。

「釣りをしたことがないデザイナーがデザインした釣り竿」と「毎週釣りに行っているデザイナーがデザインした釣り竿」では後者のほうが使ってみたくなります。そういった一見デザインと関係のなさそうな要素もデザインを伝える上で重要なのであれば、自分自身の強みとして磨いても面白いかもしれません。

今後もAIは進化していくと思いますが、AIに相談したり、AIからの提案を受け入れる状態になるのはまだまだ心理的壁が大きく、ビジネスにおける対人間のコミュニケーションに関してはしばらくは人間がやっていく必要があると思います。

ストーリーと意味付け

「モノ消費からコト消費へ」と言われて久しいですが、世の中に質の高いモノやコトは溢れ、消費者にとって質の高さは当たり前になっています。
そんな中でクライアントや消費者の心を動かしているのは、魅力的なストーリーや購買をそそる意味付けがされているものです。

そう考えていくと、デザイナーが優先して高めるべきスキルは、ストーリーや意味を付けを「伝える」スキルとそれを適切に「考える」ための「聞く」スキルです。

今まで「考える・つくる」スキルを中心に考えていたデザイナーは「聞く・伝える」スキルの重要度が上がってきていることを理解し、これから何を伸ばしていくか考えるのが良いかもしれません。

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