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プロレス

ふみさんの影響で見るようになったものの一つに、プロレスがある。
とは言っても、プロレスの変遷や歴史はまだまだ勉強不足だし、見ているのは新日本プロセスのみの、にわかである。

もともと、格闘技にさほど興味がなった。
興味が出だしたのは、飯伏幸太選手が人型のぬいぐるみと試合をしているのを見た時。動きようもないぬいぐるみと、さも対等に一線を交えるかのような試合動画をふみさんに見せてもらった時、「この人頭おかしい」と同時に「なんて身体能力だ!」と、ど素人の私にもわかるほどの面白さだった。
その次に興味を持ったのが中邑真輔選手だ。初めて入場シーンの動画を見せてもらった時、「くねくねしてて気持ち悪い…」と思ったのだが、徐々に「かっこいい…!」という気持ちになっていったのだから不思議である。高橋ヒロム選手も、最初は「なんだこの定まってない感じのキャラは」と冷たく見ていたけど、最近ではYouTubeチャンネルも見てるし、LINEスタンプも使っている。

ふみさんの説明と一緒に試合を見ながら、ヒールとベビーフェイス、新日本プロレスのメイン選手やグループは大体覚え、楽しめるようになっている。

私の最近の新日トピックと言えば、タイチ選手が嫌いなことだ。彼の履くパンツの質感が嫌なのである。柔らかなテロテロな感じで、反射する光で強調される(私が意識しすぎだと思う)お尻のラインが生理的に受け付けない。好きな飯伏選手を、執拗にボコボコに負かしたというのもある。ただここで重要なのは、彼は今徹底的なヒールであるということ。それは私も理解している。

ふみさんが「そのうち好きになってるかもよ」と言うように、そのうち好きになってるかもしれないと、自分でも思うが、今は彼に心からブーイングをする立場でいようと思う。

(カ)

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なんか妻がいきなり熱く語り出した。どうした。

というのは冗談にしても、最近は私がコンビニで買ってきた『週刊プロレス』を、ペラペラと彼女がめくっているときもある。私自身も2015年に仕事でプロレスにかかわって以来ハマった口で、十分にニワカなのだけれど、それにしても妻が純粋にプロレスを楽しんでいる様子は、とても羨ましい。
彼女がプロレスを見るようになった大きなきっかけは、2019年7月18日に後楽園ホールで行われた、新日本プロレス「G1 CLIMAX」という大きな大会を、ふたりで見に行ったことだった。普段、私ひとりでちょくちょくプロレスを見に行っているのがうしろめたく、もし興味があるのだったらと、誘ってみたのだった。
以前から飯伏選手というとても華のあるプロレスラーのことが気になっていたらしい彼女は、現場で熱戦の数々を目の当たりにして、何かのスイッチが入ったらしい。
そのすぐ後にも、新木場1st RINGという小さな会場へ、新根室プロレスという北海道の社会人プロレス団体の興行を、一緒に見に行った。いま国内で最大規模の団体の興行と、超ローカル&インディーな団体の興行。まったく異なる世界観、その両極端を、短期間のうちに彼女は体感し、そして楽しんでいた。
そして2020年1月5日には、東京ドームで新日本プロレス・内藤哲也選手の、IWGPヘビー級・インターコンチネンタルのW王座戴冠という、プロレス史上初となる奇跡的な瞬間を目の当たりにしている(その横で私は感動して号泣していた)。
ちなみに「くねくね」していると彼女が書く、WWE所属の中邑真輔選手は、マイケル・ジャクソンにインスパイアされた独特のムーブで今や世界中を魅了している。新日所属の高橋ヒロム選手は、何といえばいいのだろう、今をときめくYouTuber・フワちゃんに通じるテンションというか、過多なエネルギーを持つ方である。この多様さに、きっと私も魅せられている気がする。

妻の様子を見ていると、気に入らない選手は本当に気に入らないらしい。「愛を捨てた聖帝」の異名をもつタイチ選手は、サラサラ金髪にグラサン、ゴス&ビジュアル系という感じの選手。最近はもっぱら配信で試合を観戦しているが、妻は彼のことを見るたびに「キモい!」を連発している。しかし私が本稿を執筆している最中、ふと妻を見たら、タイチ選手のことを検索していた。あと一歩だ(何が)。

(文)

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(夕飯を食べながら、ふみさんのパソコンで観戦することが多い。)

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