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これぞ理想のユニフォーム!〜ロッテ編〜

各球団のユニフォームについて、こんなんだったらカッコいいだろうなぁという妄想をひたすら垂れ流していくシリーズ企画、「これぞ理想のユニフォーム!」

第6回目となる今回は、前回の「広島編」に引き続きランキング上位を飾った千葉ロッテマリーンズ編をお送りする。

過去の記事はこちらから↓

現行ユニフォーム雑感

まずは、現在使用されているユニフォームについて簡単におさらい。

引用:週刊ベースボールONLINE

1995年から使用されるホームユニフォームは、NPB歴代最長の使用期間を今も更新し続けている。

「広島編」でも言及した通り、実際には細かいマイナーチェンジを度々施しているのだが(特に2度に渡る背番号・背ネームの書体変更、及び刺繍から昇華プリントへの移行は「ユニフォーム変更」にカウントしても差し支えないと個人的には思う)、ユニフォームデザイン自体の大幅な変更はされていない。

今更私がアレやコレやと言うまでもないが、ホームユニフォームに関しては究極かつ至高のシンプルデザインで、NPB歴代でもトップクラスの完成度を誇るユニフォームだ。
洗練された白と黒の配色にピンストライプ、シンプルながらしっかりチームのアイデンティティを主張する「M」の一文字ロゴ。

よくヤンキースやホワイトソックスに例えられるが、ここではあくまで「前身球団である毎日オリオンズ時代を彷彿とさせる、チームの伝統に即したデザイン」である、と言っておきたい。

先にネタバレしてしまうが、今回ホームユニフォームに関してはほとんど手をつけていない
私のようなちょっと色々知ってるだけのド素人が下手に弄っていいような代物ではないからだ。
それだけロッテのホームユニフォームは完成されている。

一方、割と短いスパンで変更が繰り返されているビジターユニフォーム。
切り返しや赤の差し色を多用したデザインがここ十数年続いていたが、現在は「PINSTRIPE PRIDE」というコンセプトの下、ホームユニフォームとの調和を目指したシンプルなデザインに落ち着いている。

黒地のシャツに白のパンツというセパレートタイプながら、シャツには白のピンストライプが配されており、ロゴや番号が黒字に白フチという配色になっていることもあって、非常にシックかつ遊び心ある雰囲気に仕上がっているのが特徴である。

しかし、ホーム・ビジターいずれも昇華プリントであり、デザインのシンプルさがともすると「味気なさ」に繋がってしまいかねないという残念さがあることは否めない。

特にビジターに関しては、「黒地に黒字」ということもあってパッと見たときにロゴや文字がはっきり見えない、埋没してしまうという問題点もある。
刺繍マークであれば、「黒地に黒字」でも異素材感や立体感などでロゴを目立たせることは可能だが、プリントでは難しい。

強風が吹き付けるマリンスタジアムを本拠地にしているため、常にユニフォームがヒラヒラとなびいてしまうということを考えても、昇華プリントとの相性が良好とは決して言えないだろう。

ユニフォームの顔であり選手の第二の顔でもあるロゴや背番号がクシャクシャに潰れる様はとてもではないがカッコよくない。

改善案①(現行モデル準拠版)

まずは、現行のユニフォームにちょっと自分好みのアレンジを加えるとしたら?というところからご紹介しよう。

ホーム用
ビジター用

主な変更点は以下の通り。

・帽子マークをシンプル化&ホームビジター共通に変更。
・ビジターユニのロゴを黒字から白字へ変更
・ビジターユニのピンストライプをシャドーストライプ風の仕様に変更、パンツにも同様にシャドーストライプ仕様のピンストライプを追加。
・右胸の広告ワッペンを目立ちすぎないデザインへ変更

予告した通り、ホームユニフォームに関してはほとんど手を付けていない。
ビジターユニフォームにしてもそうだが、現状のデザインにほとんど不満がないからだ。
その中で、唯一手を付けたのが帽子マークと右胸の広告ワッペン。

帽子マーク

ロッテの帽子マークは白字の「M」に黒フチ、その上から白フチという具合に二重構造の仕様になっている。線の太さや全体のシルエットは時代やメーカーによってまちまちではあるが、これもユニフォームと同様30年近く変わらず使用されている。

しかし、個人的にはこの二重構造が少々くどい。遠目で見ると「M」だとはっきりわかりにくいし、ボテっとした野暮ったい印象もある。
特に、現行の'47によるデザインはかなり腫れぼったい印象だ。
もっとシンプルでいい。

明徳義塾高校がこの「M」マークを帽子マークに採用していることは野球ファンの間ではお馴染みだが、明徳の「M」マークこそがちょうどいいシンプルさなのだ。ぜひこれを「逆輸入」したい。
ということで、フチを付けないシンプルなデザインにしてみた。

引用:Full Count

因みに、ホーム/ビジターで帽子デザインを分けるのは嫌いではないが、現行のようなロゴの色を反転させる程度なら共通デザインの方がまとまりがあっていいので、ホームビジター共通とした。

広告ワッペン

広告ワッペンに関しては、これもある意味伝統になりつつあるような感じもあるが、「楽天編」でも言及した通り、やはり胸に付ける広告は出来る限り「ユニフォームとの調和」を大事にして貰いたい
コーポレートカラーや特徴的なアイコンなどを広告に用いたい場合は、袖に入れるのがベターだ。

他球団を例に出すとすれば、胸に入れる広告としてのベストはヤクルト(2019-2020年)、袖に入れる広告としてのベストは阪神である。
特に2019-2020年にヤクルトのユニフォームに広告を掲出していた「XFLAG」は、エンブレムからワードマーク部分のみを抜き出したものを掲出していた。

引用:中日スポーツNumber Web

そういった考えを踏まえ、ガンホーの広告をシンプルなワードマークのみ、かつ色もユニフォームに合わせたものに変更してみた。

ビジターのロゴ

ビジターユニフォームに関しては、この2つに加えてピンストライプの使用とロゴの色に拘った。

ロゴの色に関しては、先述の通り「黒地に黒字」だと埋没して見えてしまう、という問題点を解決するための処置だ。
一応「現行モデル準拠」と謳っているため、昇華プリント仕様のユニフォームを念頭に置いている。故に、この点は必ず解決しておきたい。

そのため、白字に黒フチ+グレーフチの二重構造とした。
後述する部分と被るが、一番外側のフチをグレーにしてグラデーションを作るところがミソである。

ビジターのピンストライプ

ビジターユニのピンストライプについては、現行の「シャツのみストライプでパンツは無地」という組み合わせが嫌いとは言わないまでも、やはり違和感は禁じ得ないので、スーツなどによく用いられる「シャドーストライプ」という仕様を参考にしたピンストライプの採用を提案したい。

現在のようにくっきり白の線が入るというよりも、光の当たり方によってピンストライプ風の模様が浮かび上がるといった具合。
パンツにも同様のデザインを施すことで、あくまで「上下ピンストライプ」という体裁を保つことができる。

イラストではわかりやすくするためにややはっきりめにピンストライプを入れているが、実際は「一見何もないように見えるが…」ぐらいのバランスを想定している。

元々のシャドーストライプは生地の織り方を変えることでストライプに見える模様を施すというものだが、昇華プリントを駆使すればややこしいことをせずとも簡単にシャドーストライプを施すことができるだろう。

改善案②(完全妄想版)

こちらは、私自身の理想をそのまま再現したものとなる。

ホーム用

と言っても、やはりホームはほとんど変わらない。というより変えられない。
どれだけ考えても、これ以上にしっくりくる「ロッテのユニフォーム」などない

千葉移転初期に使用されていたピンクのユニフォームの人気も比較的高い印象もあるにはあるが、それは結局、今のユニフォームに対する安心感があればこその裏返しという側面が大きいのではないかと分析している。
短命に終わったユニフォームだから、という見方もできる。

いざ実際に、今からあのユニフォームに戻す、あのユニフォームをオマージュしたものに変更するということになったとして、それを本当に喜ぶ人がどれだけいるのか、という話だ。

まあそれはいいとして、何も変えないというのも芸がないので、強いて挙げればここが気になるという点を修正した。
改善案①と②に分けるためにわざわざ小出しにしているのでは、と思われてしまうかもしれないが、正直に言ってその通りである。

まず、広告はなし。
個人的な広告の考え方としては、先述したような二原則に加えて、「無くていいなら無い方がいい」という思想がある。

今までのこのシリーズに関しても、基本的に現行モデル準拠版は広告あり、完全妄想版に関しては広告なしのものを提示している。
絶対に不要!とまでは言わないが、無くていいなら無い方がいい。

次に、帽子マークのシンプル化。
これは現行モデル準拠版と共通なので説明は割愛。

そして、帽子マークのシンプル化とも共通する部分があるが、ロゴや背番号の縁取りの仕様を少し変更している。
現行モデルは黒字に白フチ、その上に黒フチという二重構造になっているが、帽子マークと同様やや厚ぼったい印象を受けてしまう。
ただ、だからといってフチをなくしてしまうと、逆に味気なくなりすぎる。

と、そこで考えついたたのが、一番外の黒フチをグレーにするということ。
黒字に白フチ+グレーフチといった具合にグラデーションを作ることで、味気なさは回避しつつ、すっきりした印象を確保するとともに、ロゴや文字を浮き上がらせ際立たせることが出来ているのではないかと思う。

ビジター用

一方、ビジターユニフォームは結構変えている。
私のnoteを日頃から読んで頂いている方とは共通認識になっていると思うが、ビジターユニフォームといえば上下グレーが鉄則だ。
今回初めましての方にもぜひそう覚えて頂きたい。

今回もそれは例外ではない。というか、黒白グレーをベースのチームカラーとしているロッテこそグレーのユニフォームが最も美しく映えるのだから、上下グレーにしない手はない。

確かに、ロッテの上下グレーのビジターユニフォームといえば、悲劇の18連敗を記録した当時に採用されていたもの(しかも18敗目を喫したのはビジターゲーム)であることから、一定以上の年代のファンからすればこれほど縁起の悪いものはないだろうし、当時を知らないファンからすれば「強いロッテ=セパレートタイプのビジターユニ」というイメージが根強いと思われるため、二重の意味で上下グレーのビジターユニフォームの良さを布教するのが難しい球団でもある。

引用:週刊ベースボールONLINE週刊ベースボールONLINE

だが、そういう文脈を踏まえることなく上下グレーのユニフォームに「Marines」ロゴの入ったユニフォームを見てもらいさえすれば、その完成度、美しさを感じ取っていただけるのではないだろうか。
余計なものがくっていない分、ロゴの完成度を存分に堪能することが出来る。

とはいえ、このユニフォームとそっくりそのまま同じというのも面白くないので、ロゴのフチ取りを白の一重フチとしてよりシンプルにし、ホワイトソックスのビジターユニフォームをオマージュする形で白+黒の袖ライン、パンツ脇ラインを採用した。
キリッと締まった印象になったように思う。

因みに、ビジターユニフォームと言えば胸ロゴは地域名とすることが理想ではあるが、ロッテに関してはロッテオリオンズ時代の長きに渡ってホームビジターともに「LOTTE」ロゴであった、という背景を鑑み、ビジターユニフォームにニックネームを掲げることをあえて許容したいと思っている。

ただ、もちろん地域名することが一番の理想であることには変わりないので、一応そちらのバージョンもご用意している。
個人的にはホワイトソックスオマージュという意味でも筆記体の方が好みだが、皆さんはどちらが好みだろうか。

オルタネート(サード)

オルタネートユニフォームは、現行のビジターユニフォームをベースに今年の「ALL FOR CHIBA」で新登場した新「CLM」マークをかけ合わせ、ホワイトソックス風味をプラスしたもの。

白・黒・グレーをベースにしているので、ビジター用のグレーパンツに合わせても違和感はなく、MLB式でホーム用としてもビジター用としても使用できるようになっている。
帽子とシャツを変えるだけで、パンツを含めその他の用具は通常のものをそのまま使えるため、用具係さんにも親切設計だ。

このようなスタイルのオルタネートユニフォームは2000年代のロッテが一時期採用していたものの、結局NPBでは定着していない。
今一度ロッテには先陣を切ってもらいたい。

因みに、こういう「無地のシャツにピンストライプのパンツ」という組み合わせは、MLBでは割と頻繁に見られるものなのだが、逆にNPBではほとんど見られない。

同じジャージをホームとビジター両方で着ている。

今年のヤクルトの「TOKYO燕パワー」や阪神の「ウル虎の夏」で珍しくそのスタイルが取り入れられたのだが、「なんで下だけピンストライプ?」という“ツッコミ”が多数寄せられることとなった。

私から言わせれば、なぜ「上だけピンストライプ」には疑問を持たないのか、という話である。

おまけ

最後に、やってみたけどなんか違った、単にやってみただけ、といった感じで正式採用には至らなかったものたちの中からいくつか抜粋してご紹介する。
NGシーン集付きエンドロール代わりみたいな感じと思っていただければ。

新「CLM」マークをホームユニフォーム風にアレンジ。
これ自体は全く悪くないが、別に「M」マークが気に食わないとかって訳ではないので、やってみただけで終了。

デトロイト・タイガースのような、シンプルなホームにカラフルなビジターという組み合わせが好きなので、「All For Chiba」で使用されていた「サンライズレッド」を使って彩ってみたが、どうにも2000年代感が出てしまい微妙だったのボツとした。

オルタネートユニも同じく、最初はサンライズレッドを使ってみたがどうしても2000年代感が拭いきれず、あえなくボツ。
強かった時代のユニフォームという意味では縁起はいいのかもしれないが、「レトロ」や「クラシック」に振り切れていない、単に「古いだけ」という感じが個人的に受け付けなかった。

まとめ

今回、変更点自体はかなり少なかった一方、文字数ばかりが嵩んでしまった。

ただこれは、シンプルなユニフォームだからといって、手抜きだとか語るところがないとかなんてこと決してなく、むしろその一点に込められた熱意を感じ取ったり、余白を“解釈”で埋める楽しさであったり、そういう魅力に溢れているのだ、ということの証明にもなるのかなとも思う。

最後までお付き合い頂いた方には感謝しかないし、そういった楽しみを共有してくださればなお嬉しい。

以上、シリーズ「これぞ理想のユニフォーム!」千葉ロッテマリーンズ編でした。ありがとうございました。

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