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埼玉への取材計画

取材に行きたいなぁ。

今は本当に便利な世の中で、ネットで検索すれば大抵の知りたい情報は出てきます。
でも創作は、想像と情報だけでは不十分で、実際にその場に立って同じ状況と奥行きを肌感覚で味わないと埋まらない空間があるのです。作品に直接記述されなくても、登場人物が立つ場所には空気と風景と音の立体感があるはずだから。

今行きたいのは、通勤時間帯の駅。
私は電車での通学・通勤の経験がありません。日常としてその行き来がなされている場に立ち会いたいと思いました。

都心すぎず、その駅へ出勤する人もその駅から出勤していく人もいる、それなりの規模の街。

地図と路線図を見ながら、車でも行きやすい埼玉県が候補になりました。

埼玉行きの計画

埼玉の路線と時刻表でイメージを固めて、ストリートビューで雰囲気を確認します。行くならここかな、と駅の目星をつけます。
車で行くので近場の駐車場もチェック。少し離れていても歩けばいいので、長時間駐車で安い所を探して候補をピックアップします。

せっかくの遠出、同じ日に合わせられる予定をいくつか立てます。

埼玉には機会があれば会いたい友人が2,3人浮かぶので、そのうち誰かと顔を合わせられるか声をかけてみます。

気になっていた名所もチェックします。

それぞれの立地と滞在時間と移動時間を計算して、おおまかな日帰りスケジュールを立てます。
日程は、友人と会える都合を優先します。

出発の時間帯

日帰りスケジュールでは、効率を考えるとできるだけ長く現地に滞在できることが望ましいので、出発は夜明け前。

長野県を脱出するあたりで迎える日の出。

徐々に風景が明るくなってくる1日の始まりを、ハンドルを握った車内で迎えるのはなんともいえず感動を覚えます。

まずは目的の取材地で、朝の通勤風景の体験から。

駐車場から徒歩での駅までの道のり、改札、ホーム。
通勤の邪魔にならないように人の流れに乗ったり壁際に立ち止まったりして空気を感じます。

駅の売店で買い物をしたり。

遠出のときはよく小説を買います。思い出とセットになるのが良いです。

気が済むまで付近を徘徊して、時間が空いたらカフェで一休み。

友人とランチ

11時。
友人と待ち合わせ。

相手の最寄り駅や近場の駐車場などで合流します。
久しぶりの再会を喜び合い、お互いの近状報告と共通の話題などを交わしながらランチの場所まで移動。

埼玉といえばオムライス、というほど、埼玉での飲食の思い出は大半がオムライス。元々洋食屋さんのレベルが高い土地であることに加えて、友人はみんな私のオムライス好きを知っているので、自然とチョイスもオムライスが多くなってしまいます。

行く場所は、話題の有名店から人気チェーン店、地元の隠れた名店まで様々。
チェックしていた気になるお店に行くこともあるし、現地の友人にアテンドしてもらうことも多いです。

お子さんのいる友人が自由になる15時頃まで、街を歩いたりお茶したりして過ごします。

押さえておきたい名所

夕方、明るさの残るうちに見ておきたい場所を訪れます。

いま埼玉で行きたい場所といえば、三県境。

渡良瀬遊水地の近くに、群馬県、埼玉県、栃木県の境界線が接する場所があります。
平地に3つの県境が重なる珍しいポイントです。

道の駅や渡良瀬川と合わせて、写真を撮ったり付近を散策したりしてみます。

調整のきくスケジュール

目的を設定したら、移動時間と滞在時間を計算して1日のおおよそのスケジュールが立ちます。

行き当たりばったりでは予定していた目的を果たせない可能性もあるし、あんまりギチギチに詰めるとイレギュラーな出来事に対応できなくなります。

例えば、道中で突発的な渋滞に巻き込まれて数時間足止めされることも過去に実際に経験しています。友人に緊急の出来事が起きるかもしれません。訪れる予定の場所が何らかの理由で入場できない可能性もあります。

それぞれ目的地の前後に余裕を持たせて、なんなら代替案も用意しておいて、ざっくりと計画しておくように心がけておくと、遠出計画は満足度も含めて成功率が高くなります。

行動の全てが糧になる

今回の主目的は駅を体感する創作のための取材。

でももちろん、それだけが創作の素になるわけではありません。

偶然居合わせた出来事、手に取るもの、すれ違った人たち、初めての風景、遠出で出会う私にとっての非日常のすべてが、何かしらの経験のストックになります。
それは創作に直接関係なくてもいいんです。

計画はまだ計画のまま

2022年1月後半の今、また遠出が難しい情勢となりました。

県を超えた移動も通勤列車の人混みも友人との飲食も観光地も、価値と距離のある計画です。

いつかこの通りの取材遠出が実現する日を願って、ここに書き残します。

スキやシェア、コメントはとても励みになります。ありがとうございます。いただいたサポートは取材や書籍等に使用します。これからも様々な体験を通して知見を広めます。