サラダ取り分け女

いつからだろうか、場を盛り上げる役になったのは。

最近、自分が家族にまで気を遣ってることに気づいてしまった。そもそも会話が少ない我が家では、わたしが話さなければシーンとしている。

それはそれでいいのかもしれないが、なぜだか「何か話題を振らなければ」という、義務感のような、使命感のような、謎の焦りが生まれる。

合コンもそう。みんながドギマギして、どうやってスタートしようか探る時間が苦手。いや、というより、みんなが楽しんでいないと不安。なのだ。

別に、わたしが企画したわけでも、招集したわけでもないのにね。

そうしてわたしは、「とりあえずみんな何飲む〜？」「ビールの人〜！」って、急上昇させたテンションをはじけさせるのだ。

エンターテイナーか？って、毎回落ち込む。だって、わたしだってクールを演じたかったし、場を回すより、気になる男子のお酒をひと口もらいたかった。

まあいい、これでいい。とりあえずその場が楽しかったら、それでいい。

そう言い聞かせて、その日の日記に「楽しかった」と書いて封印する。

これで、わたしの任務は完了なのだ。