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書きたくなるような

「秋」という秋の「季節」は来なかったけれど、
秋の「香り」はちゃんとやってきたなぁと思った、ある日の朝。

今この瞬間を日記に残しておきたいなんて、
感性溢れる思いがぽんっと現れて、
「あの頃」は毎日書いていたのに、
今はどうしてあまり書かなくなったのかなぁという疑問が頭に浮かんだ。

その答えはすぐに、さらっと吹き抜けた冷たい風が囁いてくれた。

あぁ、私はあの頃、辛くても幸せでも、
日記を書きたくなるような日々を送っていたんだなぁと、
その時は気付かなかった「素敵な一瞬」たちが温かく蘇った。

つまり日記をあまり書かなくなったということは、
心から残しておきたいと思える日々を送れていないのかなぁなんて、
少し寂しくなったけれど、
いや、もしかすると、
怒涛の日々の中で、その一瞬一瞬を私が見逃しているだけかもしれないなぁと、
はっとした。

当たり前のように毎日が過ぎていくけれど、
きっとその中に、自分にしか過ごせない一瞬が詰まっていて、
きっとそれは、日記に書きたくなるような特別な一瞬のはずだから、
見逃さずに残していきたいなぁなんて思った、
秋の香りに包まれた、冬の風が吹くそんなある日の朝。

読んでいる方たちも、
日記を書きたくなるような日々を送ってほしいなぁという思いを込めて。

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