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エンドユーザーだけがお客様なのか?(その2)

前回の記事では
エンドユーザーだけがお客様なのではなく、
販売店や関わるすべてのステークホルダーもお客様ととらえ、
そこにビジネスのヒントがあることをお伝えしました。

また、ソニー(株)で記録メディアの商品企画をしていたとき、
コンビニやスーパーマーケットからの要望により
物流バーコードを導入した体験談をお話しました。

今回は「その2」として
監視カメラ事業の技術マーケティングを担当していた時の
体験談をお話したいと思います。

◇カメラのブランドを選んでいたのは・・・◇


当時、監視カメラの事業拡大のために
様々な戦略が練られました。

ソニーも当時は単品商品ビジネスが主流。
監視カメラ事業、特に本社の事業部では
どうしてもエンドユーザーのことばかりに
意識が向いてしまいます。

高画質、高品質なカメラを開発することのみに
集中してしまっていました。

ところが、販売会社と話してみると
カメラのブランドを選んでいるのは、
エンドユーザーというよりはむしろ
ほとんどはその手前である
システムインテグレーターである
ことが分かりました。

◇ズレていた「商品に必要な品質と安定性」◇


なるほどと思い、
システムインテグレーターを
訪問していろいろ聞いてみると、
開口一番こう言われました。

「ソニーさんの画質はNo.1だけど、
監視カメラは画質だけじゃないですよ。。」

監視カメラはシステムとして納品されるので、
カメラに接続されるサードパーティー・ソフトウェアと
接続検証がされていること、
また、その品質が安定していることが重要。

カメラ自体の性能や品質はもちろん大切ですが、
それと同じくらいあるいはそれ以上に
システムとしての接続品質や安定性が重要だと、
力説いただいたわけです。

お叱りに近い状況でした。
システムインテグレーターの立場になれば当然ですよね。

監視カメラベンダーは、大きく分けると
ソニーのようなAV機器系から参入した企業と、
IT系から参入した企業がありました。

これらソフトウェアとの接続性や
システムソリューションとしての感覚は、
IT系企業にはごく当たり前のことですが、
AV機器系のソニーには全くと言っていいほど
分かっていませんでした。

◇市場構造の分析とステークホルダーの課題解決の重要性◇


そこで今度はサードパーティ・ソフトウェアベンダーを訪問して
いろいろお話を伺いました。

・ソフトウェア接続のための技術情報を整備してほしい
・接続検証テストのサポートを充実させてほしい
・エンジニアによるサポートを充実させてほしい

などなど、お困りごとやご要望がたくさん。
ほぼほぼクレームです。

我々にとっては課題の山でしたが、
見方を変えると宝の山です。

エンジニアの中には
技術パートナー・サポートの
重要性を理解している人もいて、
彼らといっしょに、
ソフトウェアとの接続性向上の
プロジェクトを立ち上げました。

・技術ドキュメントの整備
・エンジニアサポート体制の構築

などを行い、
重要パートナーはエンジニアと
実際に訪問して現場サポート。

お陰様でサポート体制がしっかりと整い、
パートナーからは感謝されました。

なんと、最大手パートナーからは
グローバル年間アウォードまで頂くことに。

あわせて、システムインテグレーターからも感謝いただき、
ビジネスを前進させることもできました。

エンドユーザーだけに意識が向いてしまっている場合は

市場構造を分析しステークホルダーの課題を解決していくことで
ビジネスが前進することが多々あります。

参考にしてみていただけると幸いです。

追伸:
監視カメラ事業部時代は、
パートナーサポートをしていたので、
全世界のパートナーをよく訪問させていただきました。

いろいろなところに重要なパートナーさんがいらっしゃって、
欧米、中国、台湾はもとより、
イスラエル、ロシア、ブラジルなども訪問しました。
当然ながら(?)時間をつくれたときはミニ観光も。

かつてはバックパッカーでもあった
旅行好きの私はとてもいい時代でした。

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