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「製造業のサービス化」について考えてみた(その3/3)

新規事業開発チームのご支援をしていて多くの場面で関わるのが
「製造業のサービス化」というテーマです。
前々回、前回に引き続き「製造業のサービス化」について
考えてみたいと思います。


|お客様への価値提供


「製造業のサービス化」で製造業が ”サービス事業” に算入していくために
お客様への価値提供について深掘りしていきます。

前々回、前回のnote記事をご覧いただいていない方は
続きの記事になりますので是非ご覧下さい。

お客様への価値提供を次の3つに分解して考察していきます。
① 自社のどんな価値を
② どのような方法で提供し
③ どのような方法で対価をいただくか


今回は
③ どのような方法で対価をいただくか
です。

|③ どのような方法で対価をいただくか


製造業がお客様に提供できる価値は
・モノ(形のあるプロダクト、形のないソフトウェア)
・権利
・労働
の3つです。

それを顧客に
・所有してもらう
あるいは
・利用してもらう
のどちらか最適な方法で
提供していくのだとお伝えしました。

今回は最後の項目、
どのような方法で対価をいただくのか即ち、課金について
お伝えします。

【課金の2方式】


課金は大きく分けると
・売り切り型(フロー型)
・継続課金(ストック型)

に分けられます。

売り切り型(フロー型)は継続性のない都度課金です。

継続課金(ストック型)はその名の通り
顧客から継続して売り上げが発生します。

|継続課金の2形態


更に、継続課金(ストック型)は次の2形態に分かれます。
・定額課金(サブスクリプション)
・従量課金

【定額課金】

ここのところサブスク(サブスクリプション)
という言葉をよく耳にしますが定額課金のことですね。

顧客との契約で、毎月や毎年ごとに一定額が
課金される方法です。

スマホの基本料金がサブスクにあたります。
サービス内容によって
いくつかのコースに分かれていたりもします。

【従量課金】

一方、従量課金は
端末数や人数、使用量などによって課金される方法です。

電気代や水道代などは従量課金となります。

企業向けのサービスで、PC端末数での課金や登録人数での課金
なども従量課金になります。

一定額の基本料金(サブスク)に
従量課金がミックスされるケースもあります。

リカーリングという言葉を聞いたことがある方も
いらっしゃると思います。

これは
継続課金のことを指すこともあれば
継続課金の従量課金のことを指す場合もあります。


リカーリングの代表例としてよく取り上げられるのが
(サービス事業ではないですが、)ひげ剃りのジレットです。

ひげ剃り本体は安く提供し、替え刃で儲けるビジネスモデルで
ジレットモデルとも呼ばれています。

プリンターなどもこのジレットモデルです。
プリンター本体は安いのにインクが。。。
純正は高いですよね。

|継続課金のメリット


継続課金にするメリットのひとつが
企業と顧客がつながっているということです。

一度契約するとほとんどの場合一定期間継続が続きます。

携帯のキャリアが必死になって
乗り換えキャンペーンを行い
契約者を獲得するのはこのためです。

“所有"から“利用"へという最近の潮流。

これは
“売り切り"から“継続課金"への変換により
顧客とつながることができる
ことが大きな理由です。

売り切りの場合は売ったら終わり。
”ユーザー登録を個別で行う” などの手段をとらない限り
どんなユーザーがどのように使っているかの情報がとれません。

一方で、継続課金の契約でつながっていると
どのユーザーがどのように使っているかという情報が
とれるようになります。

新製品やグレードアップなどのプロモーションを
ダイレクトに届けられるなどのメリットも生じます。


このように課金にもいくつかのタイプがあり
どのタイプでお客様に価値提供するのが最良かを考えます。

|おわりに


「製造業のサービス化について考えてみた」と題して
3回に分けて事業(商品・サービス)を分析してみました。


新規事業開発でよく聞かれるのが
「モノからコトへ!」
「サービス化せよ!」
「これからはサブスクだ!」
というキーワード。

しかし具体的には何をすればよいのか
分からなくなっているケースが多々あります。

キーワードありきで検討を進めずに、
自社の価値について
① 自社のどんな価値を
② どのような方法で提供し
③ どのような方法で対価をいただくか

に分解し、組み立てていくことで
具体的な事業の形になっていきます。


是非、どのような価値をどのように最適に顧客に提供するかの視点
で考えていきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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