「製造業のサービス化」について考えてみた(その1/3)
新規事業開発チームのご支援をしていて多くの場面で関わるのが
「製造業のサービス化」というテーマです。
同じ課題をお持ちの方、多いのではないでしょうか?
この記事では、私の実体験から自分の整理もかねて
製造業のサービス化について
3回シリーズで考えていきたいと思います。
|あらためて考える「製造業のサービス化」
製造業でサービス化を目指したいとおっしゃるクライアントさんに
「サービス化って何のことを言われてますか?」
とお尋ねすると
「ですよね、いったい何でしょう?」
というお答えが返ってくることがよくあります。
「製造業のサービス化」は
「”モノ” から ”コト(体験)” へ」
というキーワードにも置き換えられます。
また「製造業のサービタイゼーション」などとも言われます。
これらの言葉やイメージだけが先行していて
具体的にはよく分からない、というのが
実際なのではないでしょうか。
あらためて「製造業のサービス化」って何でしょうね?
「製造業のサービス化」について記事を書いていますので
まずはこちらをご参照下さい。
「製造業のサービス化」は、ひとことで言えば
商品(プロダクト)の製造販売にサービスの要素を付加するビジネスモデル
です。
言い換えれば
製造業者が 商品をつくるだけでなく、"サービス事業" にも関わっていく
ビジネスモデルです。
この ”サービス事業” にどう取り組んでいくかが製造業の方々にとって
悩みどころなんですね。
誰もが答えを知りたいですし、
それこそ「製造業のサービス化」のために何をすればよいのかと
コンサルタントに答えを求めがちです。
でも
だから正解を探しに行くのではなく
自分たちにあったサービス事業を
自分たちで考え企画していくことになります。
|サービス化を目指して見えてきたこと
私がソニー在職中、B2B業務用分野に携わったときは
サービス&ソリューション事業部 や
サービスビジネス部 などという名称の部署で
いわゆる ”製造業のサービス事業開発” を担当してきました。
まさにサービス事業化や「コト」事業を立ち上げることが
ミッションだったのですが、
最初は何をすればよいのかさっぱり分かりませんでした。
ですが、試行錯誤を繰り返し、実際にさまざまな立上げを
経験するうちに見えてきたものがあります。
それは
「モノ」、「コト」や「サービス」などのワードにとらわれず、
「自社が持つ価値」や「開発した価値」をどのように提供するのか
を考えることが大切だということです。
その結果は
やはり「モノ」のみの提供をすることがベストのこともあれば
「サービス的な事業」をも提供することがよりよい方向性であったりと
それぞれの事業によって違ってきます。
初めからサービス事業化や「コト」事業を立ち上げることが
目的になっていては
本当にお客様に提供できる価値が何か、見失ってしまいますね。
サービス化すること自体が目的になってしまっては本末転倒です。
それだけは避けたいところです。
では、具体的にサービス事業をどのように展開していったらいいのか
考えていきます。
|お客様への価値提供
サービス事業というものを考えるために
お客様への価値提供について深掘りしていきます。
お客様への価値提供を次の3つに分解してみます。
① 自社のどんな価値を
② どのような方法で提供し
③ どのような方法で対価をいただくか
今回は① 自社のどんな価値を
についてみていきます。
|① 自社のどんな価値を
自分たちがどのような価値を持っているのか、提供できるのか
洗い出してみます。
【モノという価値】
まずは、モノについて。
・形のあるモノ(ハードウェア)
・形のないモノ(ソフトウェア)
・ラインアップ
ーバリエーション、上位機種 など
・アクセサリ、オプション
・消耗品
など。
例えば消耗品ビジネスは、ジレットの替え刃モデルが有名で
ジレットモデルとも言われます。
プリンタのインクも消耗品ビジネスにあたります。
【ライセンスという価値】
権利をライセンスで提供するのも価値提供のひとつです。
・特許、商標、意匠などの知的財産
・技術
など。
AIエンジンも権利に入れてもいいかもしれません。
【労働という価値】
そして、サポートなどの労働も価値となります。
有償か無償かはいったん考えずにピックアップしてみます。
・プリサポート(事前のサポート)
・アフターサポート
・問い合わせ対応
・保守
・メンテナンス
・出張対応
など。
いかがでしょうか?
製造業に関係する価値もたくさんあることが分かります。
私なりのピックアップですので、
他にもある、これはちょっと違う などと言ったご意見を
いただけるとうれしいです。
サービス化や「コト」事業の立上げを考えていらっしゃる方は
自社の考えられる価値を
まずは有償か無償か、できるかできないか、
などはひとまず横において
具体的に洗い出してみるとよいかと思います。
次回は
② どのように提供するか
について考えてみます。
※ 新規事業開発や商品企画に携わる方の「お役立ち情報」として
以下の資料が無料にてダウンロードできます。
どうぞご利用下さい。
【新規事業開発・企画構想30チェックリスト】
【白神式企画構想書テンプレート(ppt版)】
※ 株式会社プリミスからWeeklyでメルマガを発行しております。
新規事業開発や商品企画、ビジネスに役立つ情報を発信しておりますので
是非ご登録下さい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?