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新年度雑感

ポップスを教えるということは、雑な言い方をすれば普段耳に入って来る音楽のクラシックとジャズ以外全部を教えるということになります。

クラシックだってジャズだってそれが生まれた時はポップスだったと言えますが「今」はそうとは言い切れないと思います。

ポップスという現在進行形の音楽をどうやって教えればいいのか。

バッハやベートーヴェンを学ばずにクラシックを学んでいるとは言えないでしょう。学ぶべきレパートリーや作曲家がいて歴史を学ぶ必要があります。ポップスに比べたら新作も少ないのでしょう。

ジャズも僕が10代や20代だった頃に比べたら今はクラシックのそれに近いとも言えるでしょう。もう「バードランドの夜」が70年前の音楽です。確立されたメソッドや触れるべきミュージシャンも定まっています。

ポップスは、今のエンタテインメントを賑わせている音楽が主体です。これからこの世界を担っていく人たちはそこが主戦場です。もっと個人的なものもありますが。

新年度が始まりました。副科のお陰もあり沢山の若いミュージシャンの卵と出会いました。もちろん学生にとってミュージシャンはひとつの選択肢に過ぎません。色々な人がいます。ですが、今はざっくりこう表現させてもらいます。

あいみょんの「マリーゴールド」は、もう彼女ら彼らにとっては「いまどきの曲」ではないそうです。

愕然としました。

僕としてはレッスンの素材として若い世代に寄り添ったつもりだったのですが(笑)

それとね、この曲はコードの練習やリズムに乗る事などバランス良く経験できてレッスンの素材としても価値があると考えています。キーもDだし。こういうの結構重要です。

もう「マリーゴールド」は「名曲」の部類だそうです。19歳20歳くらいの人達にとっては。「糸」や「美女と野獣」と同じ括りです。わおー。時の経過を感嘆しています。

僕は何か達観して学生にこう伝えました。

「楽しんでレッスンする為とポップスの主戦場に送り出す立場として今どきの曲も扱いたいけど、一方で身に付けたら一生の宝になる曲も扱いたい」と。特に副科は時間も限定的ですから。

移り変わりが速いことをDISH//の「猫」で説明しました。これが滅茶滅茶流行ってた頃に副科のレッスンの素材にしてました。ウケも良かった。

でもね、いま「猫」やろうぜって言ったらテンションそんなに上がんないでしょって^^

※ファンの方に申し添えると、DISH//は素敵なアーティストですし「猫」も好きな曲です。

教える側が扱う楽曲が目まぐるしく変わるのは構わないけど、身に付けたら一生の宝になる曲を学ぶ時間を作りたい。

僕はその「名曲」を出して行くから「いまどき」をやりたかったら遠慮なく提案してねって。

この話をするとみんな納得してくれます。

アニソンやゲーム絡みまで含めたら僕が選ぶより効果的でしょう。

もうねオフコースを好きになったきっかけが「おじいちゃんがファンだから」という世代の登場です。

興味深いのは20年くらい前から(もっと前?)J-POPという独自の音使いのジャンルが生まれていることを若い彼女ら彼らも直感的に感じているようです。コードも言葉も多いよね。

留学生には洋楽中心でもいいかな。ひとつのアイデアです。

ブルースは必ずやってもらおうと思ってます。4度のフィーリングは身に付けて損は無いと思います。林檎さんあたりがやってくださっていたらと思うんですけどみんなが知ってるようなJ-POPに無いんですよね。ブルース。2014年より前の曲を挙げないでくださいね😊

こんな感じもありつつ週いちで若い世代と音楽で関わるのは楽しいですし勉強にもなります。

「Sixtones」をシックストーンズって読んだら「先生、違います〇〇ですよ」って(笑)○○は自分で調べて下さい^^

「Aimer」も読めなかったです。

自分達世代だけで通じる暗号遊びのようなのは僕らが若かった頃にもありましたよね。チョベリバとか(爆)

新年度の雑感でした。

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