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肝硬変の栄養学的なアプローチ方法

皆さんおはようございます!

整体院「感喜」の金子です!!



今回は肝硬変への栄養学的なアプローチ方法についてお話したいと思います。



栄養の必要性


肝硬変の方は栄養失調になる方がいらしゃり、罹患率と死亡率の増加と関連していることが分かっています。つまり、肝硬変への方への適切な栄養補給は必要だといういことです。多くの場合、肝硬変になるとタンパク質と脂肪の減少による皮下および内臓脂肪量の減少に加えて、骨格筋量と筋力の低下がみられ、基礎代謝が低下してしまいます。




肝硬変の栄養失調の原因は食事の摂取量減少、食欲不振、味覚障害、および腹水による早期満腹があります。また他にも栄養素の吸収不良は、胆汁酸の合成低下、慢性アルコール使用患者における慢性膵炎の併存、門脈圧亢進性胃症および腸疾患、腸内細菌叢異常症によっても発生する可能性があります。




栄養学的対策



ビタミンD

ビタミンD欠乏症は、肝硬変および肝細胞がん患者の死亡率と独立して関連しています。

ある研究ではすべての患者は毎日 2,000 IU のビタミン D を摂取すべきであり、欠乏している患者は 8 ~ 12 週間にわたって毎週 50,000 IU を必要とし、目標 25-ヒドロキシビタミン D レベルは 30 ng/mL 以上とされています。




ビタミンB群

肝硬変の方はチアミン (B1) やピリドキシン (B6)、葉酸 (B9)、およびコバラミン (B12) も不足しています。

ビタミンB群は肝臓では解毒に使われたり、ミトコンドリアでエネルギー合成に使われたりと非常に重要なビタミンです。




亜鉛とマグネシウム

肝硬変の方は亜鉛とマグネシウムの欠乏もよく見られます。亜鉛はアンモニアを尿素とグルタミン酸に変換するために必要であり、このミネラルの血中濃度はアンモニア濃度と反比例の関係にあります。つまり亜鉛が不足するとアンモニアが増えてしまい、神経の炎症やパニック発作、手の震え、頭に靄がかかった感じ、過呼吸などの症状を出します。



ある研究では亜鉛を150-175 mg/日の補給は、単独療法として使用した場合、またはビタミン A、C、および E の補給と組み合わせた場合、アンモニアレベルを下げることができます。




3大栄養素

栄養失調の肝硬変患者は、アナボリズムを促進するために、35-40 kcal/kg/日 (腹水を補正した体重を使用) を消費する必要があります。多量栄養素の推奨値は、1 日あたり 1.2 ~ 1.5 g/kg のタンパク質、50 ~ 70% の炭水化物からのカロリー、および 10 ~ 20% の脂肪からのカロリーでとされています。


肝硬変および肥満の患者では、低カロリー食 (1 日必要量より 500 ~ 800 kcal 低い) と高タンパク食 (~ 1.5 g/kg/日) を組み合わせて、筋肉の減少を防ぎながら減量を促進するために使用されてきました。


タンパク質に関しては、肝硬変では芳香族アミノ酸が増加し、分岐鎖アミノ酸が減少し、肝性脳症やその他の神経学的合併症を促進する可能性がありますので、毎日 4 g の経口分枝鎖アミノ酸を補給すると、アルブミンとタンパク質の合成が増加し、肝代償不全のリスクが低下します。



また動物性タンパク質を植物性タンパク質に変えると肝性脳症に効果があることがいくつかの研究で示されています。肝硬変患者を対象とした無作為化臨床試験では、植物性タンパク質 1.0 ~ 1.5 g/kg/日の栄養介入を 6 か月間行ったところ、無栄養の場合と比較して、軽微な肝性脳症患者の神経精神医学的パフォーマンスが改善され、明らかな肝性脳症の発症リスクが減少しました。

これは植物性タンパク質は、動物性タンパク質よりも硫黄含有アミノ酸が少なく、アルギニンとオルニチンが多く含まれています。硫黄含有アミノ酸は、消化中にインドール化合物とメルカプタンが形成されるため、動物性タンパク質は肝性脳症に関与しています。



ちなみにアンモニアを解毒するのにアルギニンとオルニチンは使われます。




ナトリウムの制限

ナトリウム制限は、肝硬変や腹水患者に重要です。 2 g のナトリウム制限食は、利尿薬療法と組み合わせると、これらの患者の 90% で体液過負荷を制御するのに効果的です。つまり腹水の改善に効果があるということです。

高ナトリウムの加工食品、特にデリ肉、缶詰のスープ、冷凍食品、包装されたスナックは避ける必要があります。逆に果物、野菜、豆類、生のナッツ、全粒穀物は自然にナトリウムが少ないので摂取量を増やしていくことが良いでしょう。



本日はここまでです。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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