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次世代までがんにさせるヒ素

今回はヒ素とがんの関係のついてお話します。 


ヒ素は非常にがんの原因になることが分かっている物質なのですがその影響をちゃんと理解している方はほとんどいないです。



ですので今回の発信でヒ素への理解を深めてがんの予防や悪化を防ぐのに役立て欲しいです。



まずヒ素とは、岩や土壌、水、空気、植物や動物に含まれる天然元素ですが国際がん研究機関(IARC)はヒ素および無機ヒ素化合物を「ヒトに対して発がん性がある」と分類しています。




特に、



肺癌


膀胱がん


皮膚ガン


腎臓がん


肝臓がん


前立腺がん


発症リスクがあると報告しています。


またIARCは、有機ヒ素化合物であるジメチルアルシン酸(DMA、カコジル酸としても知られています)とモノメチルアルソン酸(MMA)を「おそらくヒトに対して発がん性がある」と分類しており、他の有機ヒ素化合物を「ヒトにおける発がん性に関して分類できない」と分類しています。



さらに米国国家毒性プログラム(NTP)は、米国国立衛生研究所(NIH)、米国疾病予防管理センター(CDC)、食品医薬品局(FDA)など、いくつかの異なる政府機関の一部で構成されている機関であり、NTPは発がん性物質に関する最新の レポートで、ヒ素および無機ヒ素化合物を「ヒトの発がん性物質として知られている」と分類しています。



また米国環境保護庁(EPA)は、肺がん、膀胱がん、腎臓がん、皮膚がん、および肝臓がんとの関連に関する人間の研究の証拠に基づいて、無機ヒ素を「ヒト発がん性物質」として分類しています。



最後にがん関係でとても利益を得ている日本ですら中央環境審議会大気環境部会健康リスク総合専門委員会にて「ヒ素及びその化合物に係る健康リスク評価について」以下のように報告しています。


 


無機ヒ素化合物の曝露については、以下の理由により、ヒトへの発がん性の明らかな証拠がある。特にその吸入曝露については、ヒトの肺への発がん性の明らかな証拠がある。



・ 多数の疫学研究において、高濃度の無機ヒ素化合物を含む粉じんに曝露した労働者

集団での肺がんの過剰死亡が、また、無機ヒ素化合物を含む治療薬を投与された患

者群や無機ヒ素化合物を含む飲料水を飲んだ住民での膀胱、肺、皮膚がんの過剰死亡が、それぞれ認められていること。



・ 多数の動物実験において、無機ヒ素化合物の生体内代謝物である一部の有機ヒ素化

合物の経口投与によって発がん性や発がん促進作用が認められていること。



・ 動物実験及び in vitro (生体内)実験において、無機ヒ素化合物の生体内代謝物である有機ヒ素化合物は強力な遺伝子障害作用のみならず遺伝子発現障害作用を有することが示されていること。



これらの米国の機関や日本ですらヒ素は発ガン性のリスクがあると報告していますので、がんの予防やがんを悪化させないためにはヒ素を避けていくことが必要になると言えます。



ではどのようなものからヒ素にさらされてしまうのか?



1番は食品や飲料水からの摂取が多いとされています。  


食品では魚介類や米、米を使ったシリアル、キノコです。ただこれらは産地によってヒ素レベルが違うのでこれらの食材を気を付けるよりも産地に注意を払ったほうがいいです。



飲料水は中国、台湾、バングラデシュ、南米西部の一部では、高レベルのヒ素が飲料水に自然に発生し、ヒ素曝露の主な原因となる可能性があります。


自然のヒ素レベルは、湖や貯水池などの地表水源からの水とは対照的に、井戸などの地上水源からの飲料水で高くなる傾向があります。


そして日本では日本で汲まれたミネラルウォーターはヒ素レベルが高いのでペットボトルの水を飲む場合は日本産は避けていく必要があります。


また銅や鉛の製錬や木材処理など、ヒ素を使用する一部の職業では、職場でのヒ素への曝露が発生する可能性がありますので、このような物を扱う職場でも注意が必要です。



また国立がん研究所センターのがん対策研究所、予防関連プロジェクトでは「食事からのヒ素摂取量とがん罹患との関連について」という研究でヒ素の摂取の割合として以下のように報告しています。


総ヒ素摂取量の寄与食品は、


魚介類32%


ひじき28%


海藻類20%


米類16%


野菜類1%


それ以外は1%以下。



無機ヒ素摂取量の寄与食品は、、


ひじき50%


米類35%


海藻類5%


魚介類4%


野菜類3%


果物類2%


でした。



ヒ素の危険性は発ガン性だけではなく、妊娠中にヒ素を体内にとりこむと、生まれた子供に何らかの影響があるだけではなく、その影響が孫の世代や、さらにその後の世代に伝わると可能性があるということです。



これは国立環境研究所の研究員が妊娠中のマウスに無機ヒ素を含んだ水を飲ませると、生まれた子が大人になったときに肝がんを高率に発症するという現象を使って実験をしていおり。この実験で、妊娠中にヒ素を摂取することによって、子供の世代ばかりでなく、さらに孫世代でもがんの発生が高くなるという、驚くべき結果を得ることができたと言っています。



つまりヒ素の摂取は自分だけに影響はとどまらず孫の世代までがんリスクを上げてしまうということです。



皆さんの健康だけではなく、未来の子ども達をがんにさせないためにもヒ素はできる限り避けていくべきでしょう。

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