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角から円へ

その昔、直方体を多少変形したような形状で4つの可動ホイールがある乗り物があった
馬や内燃機関の力で移動する

車両は先頭部にも後部にも、最低でも2人ならぶ構造だった
先頭部には運転手がおり、その隣に助手がいた

その不合理は自明である
2列にして左右のどっちを基準にするかというルールの違いから混乱が生じ、事故が起きる

無人のお掃除ロボットで検証された円盤型または球型スタイルへの移行は必然的だった
中心軸に対し背中合わせに6座席を全周をカバーするように並べた6人乗りが人気だ

だが、1つ懸念がある
かつて馬車を引いた馬は、競走や、新たな活躍の場を与えられた
一時代を画した内燃機関は、産業博物館の名誉ある陳列場所を与えられた
だが、助手席には永遠に出番はない
少なくとも実世界では

風のうわさによれば、かつて助手だった者たちが、スピリチュアルに目覚め、冥王星にひっそり住んでいるとか
永遠に出番のない助手席の異世界転生の呪文を唱えているらしい
(406字)

2022年8月20日以来、以下の企画に毎週参加させて頂いており、ついに1周年、当初予定ではもう打ち切りですが、今回はとりあえず続行。以前は410字前後を大幅に超えることもありましたが、短く収まるようにしたいと思っています。今回のお題は「助手席の異世界転生」をワードもしくはテーマとして含む作品でした。どうぞよろしくお願いいたします。

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