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往生際

心して聞け
人には生まれながらの定めというものがあるのじゃ

典型的な仏教の修行の勧誘、キター!
当時は、そう思ったよ

人に限らず、あらゆる生き物には寿命がある
必ずいつか死ぬのだ
例外はない

それを考慮に入れて生きると賢いかもね、と思うようになったよ
必ずやってくる死のタイミングが、それほど特別ではない、シームレスな位置になる

往生際が悪いって、反対概念だよ
転じて、重大局面で潔くないって意味で使うけれど

気がつくと、温泉みたいな熱い液体に浸かっていた
大勢の者がそこらじゅうにぷかぷかと浮いている
地獄の血の池?
ひょっとして湯ではなくて油?

日本人はてんぷら鍋に回されるのか
ボルシチとか、ポトフとか、カレーとかよりもしっくりくるかも

そんな料理に囲まれて、眠るような大往生かあ

だが、目の前には、いつになっても往生できない者が少なからずいた
油がはじけるほど熱いのに、まだ目があいている
ここまで来ても眠れないの?

天ぷら不眠、心して話を聞かなかった者たちの結果
(415字)

2022年8月20日以来、以下の企画に参加させて頂いています。当初1年で打ち切りのつもりが、そのまま延長し1年半を楽に超えて毎週続行しています。ふだん全く考えもしない、ありえないことを大胆にテーマにして書いてみたいです。以前は410字前後を大幅に超えることもありましたが、今は、ショートショートらしく短く収めるように練習する機会にしたいと思っています。かつては、サイエンスフィクション風、釣竿を振り回すおっかないジュリエット登場のハードボイルド風なども試行しましたが、このところは軽い怪奇ショートに傾いています。毎回月曜朝5時の投稿を予定しています。今回のお題は「天ぷら不眠」をワードもしくはテーマとして含む作品でした。どうぞよろしくお願いいたします。


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