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江戸の妻に

テレパシーが一般的になるよりもずっと前のことである
かつて、外的な媒介手段によって考えや感情や種々の情報を伝達し共有していた時代があった
そのために文字が用いられた
文字は紙に書き記され、やがて、同じ内容を電子ファイルに書き込む方法が発明された
驚くべきは、太古の昔、わずか31文字で人生の重大事さえも伝達するスタイルと技術が実在したことだ

えっ それって恋文の和歌のこと?
きっと本当は31文字じゃなくて、もっとたくさん言ってほしいんじゃないか書いたものは手元に残るのが嬉しいから、ちょうどいい落としどころだったのだろう

すると、誰の手元にも残らない方がいいほど重要なことはどうなの?
例えば、「用心棒日月抄」の女忍者佐知の場合は…

戯れ言を聞いてくださいますか
青江様が江戸詰になったなら…その時はこの佐知を青江様の江戸の妻にして下さいまし

忍者ラブレターはもちろん口頭で
(377字)

2022年8月20日以来、以下の企画に毎週参加させて頂いており、ついに1周年、当初予定ではもう打ち切りですが、今回はとりあえず続行。以前は410字前後を大幅に超えることもありましたが、短く収まるようにしたいと思っています。今回のお題は「忍者ラブレター」をワードとして含む作品でした。どうぞよろしくお願いいたします。

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