ラビオリ
英語が苦手だ
それは21世紀日本のビジネスマンの話ではない
なんと18世紀イギリスの王様のことだ
ハノーヴァー朝ジョージ1世はドイツ人
現代ドイツ人なみのバイリンガルならば、その後の歴史は少し違ったかもしれない
11世紀イングランドはノルマンディー公ウィリアムの治世だ
当時のフランス語が当時の古い英語を席巻し、英語そのものが大きく変わった
言語じたいが変わるから、バイリンガルは必要ない
20世紀以後のミュージカルは常にバイリンガルだ
オペラ座のファントムも、歌姫のクリスチーヌも、当時のどのフランス人よりも英語がペラペラだ
あたしはどうなのよ!
ジュリエットが釣竿を振り上げていらいらしている
14世紀イタリアのヴェローナが舞台だが、戯曲として描いたのは16世紀イングランドのシェークスピアだ
だから、もちろん、イタリア語と英語のバイリンガルだ
ラビオリ、ダンプリング!
ジュリエットは得意げに叫んだ
バイリンガルギョウザ、食べてしまえば何語でもおいしい
(413字)
以下の企画に参加させて頂きます。(今回のお題は「バイリンガルギョウザ」)。以前の作品のテーマで登場した釣竿を振り回すジュリエットがレギュラー出場しています。どうぞよろしくお願いいたします。
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