【部長の考察】ロボット活用で実現する、販促分野におけるデジタル化とDX
こんにちは、キングソフト株式会社の吉田です。
私たちのもとに自律走行型運搬ロボット”Lanky Porter”がやってきてから、およそ5ヶ月が経ちました。
Porterが到着して、初めて開梱し対面した時には、久々に私の心が躍りました。
この5ヶ月の間、Porterは「どんな場面で」「どのように活用できるのか」を探り、実験と検証を繰り返してきました。
『今、どんな場面で活躍するか』にフォーカスして事業推進を図っているところではありますが、今回のnoteでは『これから』とか『近い将来に向けて』といった視座で、私が今考察しているものを書き記したいと思います。
はじめに、改めて我々キングソフト株式会社 AI事業Div.の自己紹介を行いたいと思います。
What's? KINGSOFT
設立は2005年3月、つまり今年で設立から16年のジョイントベンチャーが我々、『キングソフト株式会社』です。詳しい沿革についてはHPでご覧いただければと思いますが、はじめはインターネットのセキュリティソフトを扱って日本におけるITベンチャーとしての歩みを始めました。
主要株主には、ニューヨークの証券取引所で上場している『Cheetah Mobile Inc.,(チーターモバイル)』や、香港の証券取引所で上場している『Kingsoft Corporation Limited(キングソフト)』がおり、「インターネットを通じてより便利な世の中を目指す」ことを当社のミッションとしています。
グローバルでのスケールメリットを活かしたネットワークで、優れた技術を高品質で使いやすく、安全、安価な製品・サービスとして日本に展開することで、便利さ、豊かさ、安全、安心、歓びを等しく享受できる世の中にしたい、そんなビジョンを掲げている会社です。
年月とともに当社が取り扱う製品・サービスは増え続け、現在ではPCソフトウェアだけでなく、ゲームやメディア、ビジネス向けを含めた各種アプリなど多岐にわたっております。
その背景には、時代のニーズに的確に対応し、新しいことに日々チャレンジしてきた当社の姿勢が大きく影響しています。
キングソフトの新規事業部署 AI事業Div.
そんな中、2020年からのチャレンジとしてスタートしたのが我々「AI事業Div.」です。2019年から準備に取り掛かり、新規事業部署として2020年の1月に正式発足いたしました。
事業テーマは「デジタル革命に対応し、先進技術・先端技術でこれからの社会に挑戦する事業」です。
既存の事業である「ソフトウェア事業」と「メディア・コンテンツ事業」と共に、ノウハウが融合する”三位一体の事業ポートフォリオ”として各事業の相乗効果によって、当社としてのミッション達成をより現実的なものとする狙いがあります。
これからの社会?
それでは、先ほど私が述べた「これからの社会」とは一体どんな社会なのでしょうか?
リクルート進学総研の中で「働く」をテーマにして、リクルートワークス研究所 主任研究員である中村 天江氏が公開している記事によると、いくつかのシナリオに分けたシミュレーションではありますが、総じて以下のような未来(2025年)が予測されています。
・労働人口の減少
・経済的衰退
・2015年と2025年で変わらない高齢者の就業者数
・「日本人・男性・正社員」が雇用慣行主役の固定観念から抜け出せない。
一つ一つを具体的に紐解いていきます。
まず、『労働人口の減少』です。2005年時点では6,356万人存在していた労働人口が、段階的に減少していくということです。2015年には6,274万人、2025年には6,091万人と実に20年間で300万人近くの減少が見えています。
次に、『経済的衰退』です。上記と同時に、一人当たりの所得平均も、2005年から2025年にかけて、370万円→355万円→341万円と減少するとみられ、就業者×平均所得=日本全体の労働総所得は、やはり2005年から235兆円→223兆円→208兆円と30兆円ほどの減少が予測されています。
さらに、昨今のコロナによる経済停滞もここに拍車をかけています。
次に『高齢者の就業者数』についてです。少子高齢化が明白なのにも拘らず、2025年の65歳以上の就業者数は11%強と予測されています。これは2015年とほぼ同水準の数字です。つまり高齢者の就労を促進する取り組みがなく、高齢者の就労機会が増えていかないということです。『女性』についても同じ事が言え、就業率は2015年と2025年でほぼ変わらず、女性の労働参加も十分とは言えない状況です。
上記に加え『「日本人・男性・正社員」が雇用慣行主役の固定観念から抜け出せない。』という問題もあります。高齢者や女性に人材ニーズがあっても、旧態依然とした固定観念にとらわれるがために、人材を確保できず、人材不足に悩んでいる。と言った状況を打破できないことには、経済の繁栄シナリオにおいても強い懸念事項となっていく事でしょう。
これからの社会への対策
では、私たちキングソフトのAI事業Div.として「何にチャレンジし」て迫りくる”これからの社会”に対抗していくべきなのでしょう。
先ほど挙げた課題を解決するために我々がチャレンジする事。
これは、AIロボットを活用した『デジタル化』と『DX推進』です。
既に『【部長のつぶやき】ロボットの現状と目指すべき未来について』の中で現状と今後のロボット事情、世界的なロボット導入の推移や予測について投稿していますが、Serviであったり、Peanut、もちろん当社のLanky Porterなどの運搬・配膳型ロボットの台頭によって、国内におけるロボット活用は広がり始めています。
私は、現状の働き方をロボットに置き換え可能な部分において転換していく”デジタル化”によって、まずは労働人口の補完や「日本人・男性・正社員」という現代の雇用慣行からのパラダイムシフトが可能になっていくと考えています。
デジタル化の先にDX推進がある
前述したデジタル化を達成しながら、DX推進・実現を模索していくべき、と私は考えています。そうした意味において、例えば飲食業態における配膳ロボットでの"配膳"や"下げ膳"は、あくまでデジタル化であり、その先の「ロボット活用によるDX実現」のためには、様々な分野でのデジタル化活用が実現の礎となるだろうと私は予測しています。
配膳という場面に囚われず、活用領域の視野を広げて実証を行なっていくことで、DXの兆しは見えてくると信じています。
その上で、私は現状のロボット活用における課題は何か考えました。
ロボットの活用課題
まずは、スペースです。
ロボットを活用するということ、さらにそのロボットに何らかの物を運搬させるとなると、人が移動するよりも広い移動スペースを確保する必要があります。
また、”アバター”と呼ばれる遠隔操作でのロボット活用となると、管理画面ごしに操作や対応すべき人員を配置せざるを得ません。
さらに、単純作業+αの運用を目指すのならば、「コミュニケーション / 運搬 」の両面をカバーできる機体設計が必要となります。
これらをより課題として具体化してみました。
これらの課題によって「活用現場が限られてしまい、店頭での利活用促進に至っていない」と私は一旦結論づけました。”一旦”としたのはしっかりとした実証ができていないからです。
ではどうやってデジタル化やDX推進を可能にするのか?
とてもざっくりいうと、「適切な機体設計」と「適切な管理設計」で課題解決の道が見えると考えます。
実は上記の設計・機能が我々の製品である「Lanky Porter」には既に付帯しています。
Lanky Porterは、ディスプレイを有し、最低歩行幅は70cm程度。完全なる自律走行機能があり、棚を実装、コミュニケーションのための細やかな文言アレンジ設定が可能で、それらの設定を極限まで簡易化した管理画面が付帯したロボットです。
これらの基本設計をアレンジし、サービスをリデザインしていくことで活用の幅が広がり、DX実現の可能性はより高くなると考えます。
実際に短期間ではありましたが、大手食品メーカー様ご協力のもと、実証実験を実際の小売現場で実施しました。
この実証によって、店頭販促分野でも一定の活用価値がある事がわかってきました。
実際に私も現場に赴き、様子を伺っていましたが、通行人はロボットが何か音声を発している様子に驚き、足を止め、商品を手にとって店内に入店されていく。そんな様子を何度も目にすることができました。
これは『非接触』で『エンタメ性を有した目新しいロボットが』『商品訴求を行い』『消費者の購買意欲を刺激した』事によって、成果へと繋がったと推測できます。
こうした事例からも、改めて私たちが可能にする『これからの社会』に対する取り組みが見えてきたと実感しています。
Lanky Porter が可能にする『これからの社会』に対する取り組み
実務的な側面を持ちながら、非デバイスを有したLanky Porterであれば、これからの社会に溶け込み、共生しながらDX実現のアイデアが生まれ続けると私は考えます。
喫緊の課題に対応し、将来的なリスクを提言しながら可能性を見出していく。この連続が真のDX推進を実行していく私たちのミッションなのだと私は自負しています。
無料で配膳ロボットをお試ししてみませんか?
本記事を最後までお読みくださった方の中には「配膳ロボットを使ってみてもいいかも...」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか(いればいいな)。そんな方に朗報です。
実は今、私たちが取り扱っている運搬・配膳型ロボット『Lanky Porter』は無料の試験運用キャンペーンを実施しています。実際に配膳ロボットってどれくらい役に立つの?などといった、まずはちょっとした興味といった段階でももちろん構いません。店舗ごとにどのように活用するかは異なると考えておりますので、少しでもご興味のある方はぜひお試しください。
そして実証実験なので、もちろんお代を頂くようなことはありません。今後を見据えて、この機会に配膳ロボットを試験的に稼働させてみませんか?
お問い合わせは下記より、まずは詳細を聞いてみたいというお声も大歓迎です。ご連絡、お待ちいたしております!
https://biz.kingsoft.jp/ai/dl.html
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