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「きらめきをみまもるものたち」の御礼(作品と今後について)

【御礼】


くうすいま個展「きらめきをみまもるものたち」2023/ 3/ 1(水)~ 3/ 6(月)
無事に会期が終了致しました!ご高覧いただいた皆様、本当にありがとうございました…!!

会期中はファンの方やお知り合いの方はもちろん、通りすがりで見てくださった方にも優しいお声をかけていただきとっても嬉しかったです。みなさまとお話しすることが出来たことがこの上ない喜びです。
絵が好きですと言っていただけるたびに涙が出そうになりました。そして、会場を後にする方の多くが笑顔になって帰ってくださって、「ああ、描いてきてよかったな」と強く思いました。

【個展のテーマについて】


お気づきの方も多いかもしれませんが、今回の個展は「黄道12星座」をモチーフに選びました。別世界の雰囲気に浸っていただきたくあえて公に展示しませんでした。星座ごとに紡がれるひとつひとつのストーリー、それを暖かく、時に寂しい眼差しで「みまもるもの」たちを優しく鮮やかに描いたつもりです。

テーマを一つ決めるにあたって、地上と天界を唯一自由に行き来することができる存在「天使」を描きたかったので、天使についての文献や資料(洋画の資料、天使論、天使学など)をかたっぱしから読みあげました。その中で、星(星座)と天使には深い関係があることに気づきました。

●創世記「神は二つの大きな光を造り、大きい光に昼をつかさどらせ、小さい光に夜をつかさどらせ、また星を作られた。」
旧約ヨブ記 38 07「(世界が誕生した時)かの時には明の星は相共に歌い、神の子達は皆喜び呼ばわった」
「この場合、神の子とは天使をさす、そして星が創造されたのは4日目のこととされるので、4日目には既に天使はいたことになる」(利倉:10p)

●「天使の姿が神話と黄道十二宮の表現に由来し、未だその影響下にあるのなら、天使の自由を表現することは難しい」(カッチャーリ:86p)

このような文から、見えるかもしれないけど手を伸ばしても届かない星と天使を結びつけて、黄道十二宮の神話を表現したい・・・と想いを馳せたことで展示のテーマが決まりました。
作品ごとに星座が大きく描いたのですが、お気づきでしょうか・・・。曖昧で儚い表現をするためにリボンで繋げてみました。

また展示についてですが、会場に入った瞬間別世界に足を踏み入れたかのような非現実の空間を作る事を意識しました。馴染み深くない空間だったと思いますが「ここから離れたくない」という想いを持っていただくためにこだわったつもりです。「かわいい」「きれい」「すてき」「おしゃれ」「たのしい」「かなしい」「すき」「すきじゃない」 ご高覧いただいた中でどんな感情を持っていただいても、私の作った世界をのぞいてくださっただけでとっても嬉しいです。

【青と黄色について】


期間中ずーっと青色の世界に在廊させていただきましたが全然飽きない自分に驚きました。私って本当に青色好きなんだな……と……
その間、「なんで私は青が好きなんだっけ」と考えていました。
青色って、色相感の中でも飛び抜けて明度が低い色で、色相遠近感(暖色が前進色、寒色が後退色で使い分けて前後間を出す技法)でも目立たない色になりがちなのです。
けれど、そんな青と光ってとっても相性がいいんです。水中に陽の光、宇宙に恒星、暗い部屋に窓からの日差し…光を浴びると、神秘的でどこか遠い存在の青色が途端に主役になります。
「青に光がさして、色々な色にかがやく瞬間」が大好きで、その色を切り取って作品にしたいと思いました。そして、より一層青を明るく魅せる光の色には鮮やかな黄色を選んでいます。
青と黄色。この2色を引き立たせるためにひたすら描いていくうちに私の唯一無二になっていって、私の一部になりました。
かがやく青色で癒されて、心があったまっていただけたら私としては感無量です。

【活動について】


在廊中にふと過去の事を思い出す時もありました。
この活動を始めたてのとき、私の絵は誰にも気に留めてもらえないと思っていました。
ただ絵を描くことが好きで、楽しい、楽しいとその気持ちだけで制作していた私は、独りよがりの作品ばかり創っていて、私の絵は何も伝えられないと思っていました。
そのことで悩んでいた時に恩師からいただいた
「あなたのこだわりを極めて、あなただけの世界でファンの心を掴みなさい」
この指導の一言を、今でも覚えています。
好きなものを極めることで振り向いてくれるんだ、と気づかされました。

それから、【誰かの心を照らすことができるランプのような作品】を目指したい、と思うようになりました。
創作・展示活動を繰り返す中で何度も自分の愛しているもの、大好きなもの、性格、価値観、考え方、伝えたいこと、言いたいこと、感情・・・等にひたすら向き合ってきました。自分と向き合うことは辛く、苦しい事です。直面したくない現実が立ちはだかることもあります。それでも、そうしないと、今の作品の世界観は生み出せなかったと思います。
私の作品は、これを読んでくださっている方のランプになれていますでしょうか・・・。なっていたらいいな・・・。

【これからと、最後に】


長く、まとまりのない自分語りで申し訳ないです・・・。
さてこれからの話なのですが、新生活の始まりに伴い向こう1年ほどはインプットをしたいので展示活動はこれまでよりゆっくりになります。
しかし今まで関西圏を中心に活動してまいりましたが、来年度から関東の方にも活動を広げます。なのでもっともっとたくさんの方と交流や名前を広げられたらと思っています。デザフェスとか、コミティアとかにも行きたいなあ・・・

こんな私でも応援していただける方がいましたら、できる限り筆を動かしていきたい所存です。
これからも精進してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

最後になりましたが、展示を快く受け入れてくださったイロリムラ様。心の支えになってくれた家族、友人たち、応援してくださっている皆様。そしてこの文章を読んでくださった貴方へ、心よりお礼申し上げます。

わたしのおもいが、あなたのこころを照らしますように。

くうすいま
Twitter:@krsuima_sousaku
Instagram:sinkainoseibutsu
mail:goriratsuyoi2828@gmail.com

参考文献
利倉隆.天使の美術の物語. 美術出版社,1999, 168p
マッシモ・カッチャーリ.必要なる天使.人文書院.2002.220p


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