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妻が妊娠した

結婚して3年目、妻が妊娠した。2021年1月末、妊娠4ヶ月である。

最近はつわりが少しずつ良くなってきているが、それでも気を緩むと症状が悪化する。ほんの2週間前までは元気な姿をほとんど見なかったし、毎日吐いていたし、点滴も1回打った。

私が帰ると妻はコタツでいつも同じ体勢で横になっていた。部屋の中は寒い。ストーブを付けに行く余裕もなかったのだ。

妊娠のときは夫が支えてやらねければならない。私は僧侶なので一般の人からすれば業務形態は自営業みたいなもの。もちろん、突然の連絡で仕事になることもあるが、自分で好きなように時間を調整することができる。だから、妊娠してからはいつもより早めに帰宅し、夕飯の支度をする。と言っても、妻はその日によって食べれるものが変わるし、食べれる時間帯も変わる。だから作るのは自分の料理だけだ。

部屋も少しずつ汚くなっていく。掃除は好きなので、いつでも掃除をやるのだが、妻が休んでいる横で掃除機の大きな音を立てたくない。

妻が妊娠してはじめて、いのちの誕生というものの壮絶さを知った。嬉しいことばかりではない。妻は自分のいのちをかけて私たち二人の子供を産もうとしてくれている。

「二人目は産みたくない。」

一人目を産む前からそんなことを言っている。それくらい不安で、それくらい辛いということだろう。

もう少しで安定期に入る妻。気のせいだろうか、お腹が少しふっくらしてきた。お腹の中の子は4cmくらいだそうだ。

いま私が妻にできることは一体なにか。家事は今の世の中当たり前だと思う。

・話を聞くこと

・支えること

・寄り添うこと

なんだか、どこにでも書いてあるようなことばかりが頭に浮かんでくる。

・笑わせること

やっぱり妻の笑顔を見るのは好きだ。

この先、生まれてくる二人の子を想像しながら日々をコツコツと過ごしていくしかないのだろう。

もちろん、僧侶である私は現実を受けとめるために悪いことも想像する。出産までたどりつかないかもしれない。

・どんなことがあろうと、この先やってくる事実を受け止める覚悟をすること

色々と書いてみたが、いま私にできることは、妻にとってはちっぽけなものでしかないのだろう…


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