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微熱の頭で食べた赤りんご

頭も心もぼやぼやして、笑うのがつらくって、とにかく家に帰りたかった。「熱っぽいです」と、ほんとか嘘か自分でも分からないコメントを残して職場から帰宅した。

数日前から、心がかさかさしている。感情の波も激しくて、つらいのにどうしようにもいつもの自分ではいられない。

自分をごまかしながら過ごしていた。

笑ったり、感じよくいなければ、と無理をすれば泣きそうになるし。
大丈夫っていいながら、多分、全然、ほんとうは大丈夫じゃない。

わからないなりに、大変なりに、ケラケラと頑張れていたらいいのに。
いつもの私なら、そういられるはずなのに、と思ってしまう。

間違いなく、確かに今月はちょっと忙しい。久しぶりのキャパオーバー感。
自分で決めたことだからやり切る、という気持ちはあるものの、身体が追い付けなくなって、心が追い付かなくなった、そして頭も。

久しぶりに熱をはかると微熱があった。1度体温が高いとこんなにしんどかったっけ。

朝作ったお弁当も食べる気にならない。でも、こんな時にこそ何かを食べないといけない、とギリギリの頭が小さくつぶやいてくる。机の上に置いてあったリンゴを剥いて食べようと思った。

手に取ったリンゴは、少しべたついていた。食べごろかな、ほんのり甘い蜜の香りをさせている。

私はそのままリンゴをかじった。外国人がそうするように、皮ごと。食べる前に香ったままの味がした。

1口、2口と食べた時、やっぱり切ったほうが食べやすいかなと思ったりもしたけれど、そのまま一生懸命かじって食べた。正直、ほどよく硬いリンゴをかじり続けるのは大変だった。栄養になったかは分からないけど、のどが潤ったことは分かったし、涙が流れたので、ちょっとは心も潤ったのだろうと思う。


そのあと、少しだけ仕事をした。無理はできないけれど、もう少し、頑張らないといけない。今はそんな時だと、思っている。

落ち着いたら、思いっきり自分を甘やかしたい、自分で。




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