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VOL.33「働き方改革・考察 ~働くことは自己表現~」

「くりきんとんがゆく」は、毎月第一金曜日、FM川口が午後7時からお送りしているラジオ番組「メタリックフライデー」で、DJおやっさんが担当するコーナーです。ここには、そこでお話した内容を記録していきます。

2024年6月7日放送分より。。。

BGM は「ノー・ウーマン、ノー・クライ」(No Woman, No Cry)。ボブ・マーリー& ザ・ウェイラーズが 1974 年に発表。ニーナ・シモン 1993年の『A Single Woman』に収録。ジャズ歌手、フォーク、ブルース、R&B、ゴスペル歌手。サウンドカフェのエンディ ングはネーネーズ。1990 年に知名定男がプロデュースして結成された沖縄音楽グループ。 メンバーが変わりながら現在も活動中。

町工場の働き方改革について考える

昨年6月、ちょうど1年前に「町工場の働き方改革について考える」っていうテーマでお 話させてもらったんですよね。フランス在住のライターさん、高崎順子さんにゲストとして登場してもらった回です。髙崎さんは、休暇のマネジメントという本を出されていて。フラ ンスの長期休暇の制度がどんなかたちで実現されて定着しているのかを、詳しくインタビュ ー取材して書かれていて。なんとなく、フランスの人は休みがいっぱいでいいなくらいに思 っていたのが、なるほどって、いろいろなことが理解できて、おもしろかったんです。その 本の後半のところで、さて、日本では?という展開になってまして、実は、実例として、も のづくり、町工場の実態として、栗原精機に目をつけてもらってインタビュー受けて、10ページも使って紹介してもらったというのがご縁だったわけです。

栗原精機のその後

そのときも、なんか、偉そうに、うちは働き方改革うまくいってると言ってるけど、実際のところは、まだまだ、人によってとれている休日数はばらつきがあるし、休みがとりやすく なっている一方で、仕事に対する責任感が強くなる人もいて、休日でも自ら積極的に仕事を進めていこうとする社員もいたり、格差があるのも確か。会社として評価をどうすべきなのかは悩みどころかな?そのあたりの改革推進は新社長に託すって言ってました。あれから一 年なんですが。栗原精機のその後、どうなったんですかね。。。

正直に言って、そのときにも感じていた、人によって考え方、とらえ方に格差があるってい うのは、ますます、その差が大きくなったという気がしています。基本的には休みが増え た、休暇が取りやすくなったというのは、よいことだと思いますよ、もちろん。

ただ、中に は、それが甘えにつながってしまった人もいるのは事実ですね。 先ほどの本の中にも書かれていたけど、フランスなんかは、会社に対して、けっこう強制的に休みをとらせなくちゃならない制度があって、そのうえで働く側も休暇を取る際に相談して引き継ぎをして仕事になるべく支障がないよう調整することがちゃんと定着しているとの ことでした。日本の場合は、その前者の、会社が守らなくちゃいけない義務っていうのは出来上がったけど、働く側の意識改革はまだまだこれからなのかな?という気がしてます。

働く人の意識改革

働き方改革って、本来は働く人の意識改革が伴ってはじめて成り立つことだと思うんですよ。そこに気が付いて、自らの働き方をきちんと考え実践できている人は、どんどんと活躍の場を広げていきますよね。副業を認められて、それを成功させるとか。自分にための時間を自己研鑽に使って、さらにキャリアアップにつなげるとかね。実際、ここのところ、社外で繋がりのできた人たちは、みんなそういう人たちです。

逆に、ただ休みが増えたって喜んでおしまいの人は、時代から取り残されて、そのうち必要とされない人になっちゃいますよ。会社は働き方改革で、総労働時間が減った分をロボット使って自動化したり省力化したりしますよ。つまり人にかけていたお金を設備投資に回すわけです。少ない人数で同じ売上利益を稼ぐとなれば、人件費は限られた人、つまり、そのロボットなり自動化システムを動かせる人に集中していきますから。 自分には技術がある、自分がいなくちゃモノはできないと、あぐらをかいている人は、最初に行き場をなくすことになるでしょうね。俗人化した技術はもうどんどん淘汰されていきま すから。働き方改革がもたらしたものは、実は、そこに大きな転換点があったんじゃないか と思ってます。

自分にとって、働くってなに?

定年延長とか終身雇用とかって言葉聞いて、ずっと同じ仕事で生きていけるんだって考えたら、それは逆ですね。単に必要のない人、社会のお荷物になっていくだけです。60 歳になったら、悲しいけど、体力も間違いなく衰えるから、同じ仕事は続けられない現実が待っているんです。働き方改革って、個人個人の老後を支えようっていうものじゃないってことを理解しなくては。 会社側の考える働き方改革は、制度。つまり、何日間、何時間の労働に対して、休日数が何日か、休み何時間とか、そういうことを管理するってことで。働く側の考える働き方改革は、そこじゃなく、ほんとの意味で、自分にとって、働くってなに?っていう問いだと思う んです。

誰もが自己表現をするように情熱をもっ て働く世界

いま、いっしょに町プロタウンの事業を進めている、session crew の田中健士郎さんは、 自らを「働き方エバンジェリスト」と名乗って、「誰もが自己表現をするように情熱をもって働く世界」を作ろうとしてるんです。彼とどんどん付き合いが深くなるにつれて、町工場 でものづくりをしていくのも、会社を経営していくことも、実は、自己表現であるべき。そこに答えがあると思うようになりましたね。大量生産、大量消費のシステムに組み込まれた 生活者として一生を送るのか、自らの生き方として、働くことの意味を見つけていくのか、 働き方改革は、次の段階にきていると思ってます。

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