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【Jeff Beck's Guitar Shop】(1989) さらばジェフ・ベック!

1月12日の朝は本当に驚きましたね。

ジェフ・ベック死去。

友人、知人からのLINEメッセージで知ったのですが、突然すぎて信じられなかったです。
細菌性髄膜炎という病名といい、よく理解が出来ずまさに寝耳に水でした。

noteで皆さんの追悼記事や過去記事を読んでいると、いかにベックが愛されていたかが伝わってきます。

私にとってジェフ・ベックは決して1番という訳ではなかったのですが、(どちらかと言えばクラプトン派…)それでも年を重ねて尚、ギター奏法、音楽内容とどんどん進化していく姿は一目置いていました。常に現役でした。
売れる売れないは関係なく、自分の嗜好する道を行くだけ。「侍」みたいな感じがしていました。

ベックを評したもので、今でも印象に残っているのが本作【ギター・ショップ】のCDにあった渋谷陽一さんの文章です。
3大ギタリストを玩具に喩えています。以下引用します。

「エリック・クラプトンがスヌーピー、ジミー・ペイジがドラえもんのぬいぐるみだとするなら、やはりジェフ・ベックは超合金ロボがイメージ的に一番近い。どこか無機質な魅力があるのだ。そのアーティストの人間的なストーリーやキャラクターに思い入れするというより、高性能な車やマシーンを愛する感覚に近い…」

【ギター・ショップ】日本盤CDライナーより

そうそう。流石うまく言い当ててますね。
男の子が大好きになるような要素がジェフ・ベックには満載だったと思うんです。
モデルチェンジしていくスタイルに、今度はどんな音を出すんだろうと期待してしまう存在感。常に刀を研いでいるのが判るプレイの切れ味。
誰にも真似られない生涯ワン・アンド・オンリーのギタリストであり続けましたね。

本作のジャケットは、整備工場を車ではなくギターに置き換えた架空の【ギター・ショップ】のイラスト。如何にもジェフ・ベックのイメージにピッタリ!

ジェフ・ベック(Gt)、テリー・ボジオ(Dr)、トニー・ハイマス(Key) 3人のみの演奏。ベックのギターが全面に出ていて、攻撃的なプレイ繊細なプレイ両面が楽しめます。
比較的地味な部類の作品かもしれませんが、本作の硬質なサウンドも私は結構イイなと思ってます。


Side-A
①"Guitar Shop" 5:03
ジャケットの整備工場のイメージ通り、ベックは機械音を模したギター音を連発。もう誰も踏み込めない領域ですね〜💦
フィンガーピッキングから叩き出されるフレーズが強烈!調子っ外れにも聞こえる音がカッコいいんですよね。
派手なドラムはテリー・ボジオ。この人はUKでビル・ブラッフォードの後釜でした。途中のスポークン・ボーカルも彼とのこと。

②"Savoy" 3:52

③"Behind the Veil" 4:55

④"Big Block" 4:09
オーソドックスなブルースですが、途中から転調してアグレッシブなフレーズが登場。
鍵盤のトニー・ハイマスは【ゼア・アンド・バック】にも参加していましたが、本作では印象薄。本作はベックが主役の作品ですね。
映像は2014年の東京公演。ギター音は更に歪んで、フレーズもトリッキーで自由奔放!


⑤"Where Were You" 3:17

Side-B
①"Stand on It" 4:59

②"Day in the House" 5:04

③"Two Rivers" 5:25
ベックが遺したロマンチックなインスト曲。
深夜のNHK映像番組にもBGMで使われていましたが、それも頷けるスペイシーな音像と美しい旋律。ベックって、キレイなフレーズを弾かせても超一流でしたね。
夜空の満天の星を眺めながら、ベックを悼みながら聴いていたいです。


④"Sling Shot" 3:07
一転して目が覚めるようなロックビート。
鋭いギターリフです。この瞬発力なんですよね〜。クラプトン、ペイジでは味わえない快感。トレモロアームを駆使して次々と繰り出すフレージングはスリル満点です。


私はジェフ・ベックのステージを結局3回観ることが出来ました。やっぱりカッコ良かったですね。
1999年に初めて観たときは、当時好きだった女のコを誘って行きました。私の特製ベック選曲テープを渡した代わりに、彼女が貸してくれたのが本作のCDでした。煙草を吸う女のコだったからCDはヤニ臭かったなぁ。

ベックのライブを観たあと私は告白をしました。結果はノーでした。この日のステージでベックのギターの弦が切れたのですが、私の恋心も切れたのです💦
んー、訃報に際して色んな事を思い出してしまいます…。変な感じになりましたが、

ジェフ・ベックよ、ありがとう!R.I.P.

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