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174. 友と旅 前編 

金曜土曜と一泊2日の箱根温泉旅行に出ていた。
おお、据え膳よ。

旅仲間は学生時代からのマブダチで、京都から新幹線ひかり号に乗り小田原までやってくる。
私よりずいぶん余計に費用がかかるので申し訳ないと言ったら「あんな、私も働いて割と長くてな、それぐらいのお金はなんとでもなるねん」と言われ、すっかり我々は大人になったのだな。
確かに彼女はいつもデパートで服を買っている剛の者だ。


朝は長男をいつもの通り学校へ送り、今日明日とお母さんはいないのでお父さんと次男と仲良く過ごしておくれ、夜ご飯にはミートソースを作ってあるからと言うと、ミートソース!と喜んでいてよかった。

いつもと同じ時間の電車で新宿まで出てロマンスカーに乗る。
いつもと同じ時間の電車というのがいいじゃないか。毎日の見知った顔も何人かいてフフフみなさん今日もお勤めですかわたくし箱根へ行ってまいりますのよという穏やかな気持ちに。


ものすごい晴れ。
ロマンスカーの窓の方向を考えずに席を買ってしまっていたので折角の車窓も眩しくてずっとシェードを下ろすことに。

小田原城を散歩した後、地元のフレンチレストランでランチ。
この店が大当たりで、とにかく美味い美味いなんじゃこりゃとフガフガ言いながら次々とくるお皿を2人して平らげた。
あんまり美味しかったのでまた今度どこかでまとめて写真など投稿しよう。

帰ってから夫に全皿の写真を見せながら味の解説をし「さていくらでしょう?!」と聞いて「8000円?」と私に気を使って高めに言ってくれたところまでがこのランチやったな。

2時間かけてご飯を食べ、ぽんぽこの腹を抱えて登山電車へ。事前に長男から聞かされていた通りの全駅名とスイッチバック箇所を通りどんどんと山を登る。
※長男は小田原から登山電車、ロープウェイ、遊覧船の港まで暗記している

期待していなかった紅葉もそこここキレイに残っていてラッキー。


師走の午後は短いねぇと彫刻の森ミュージアムに立ち寄り、傾いていく陽の光の中にたたずむ彫刻を見て回った。暮れてくると少し怖くて楽しい。
とても良い施設だったのでまた家族とも行こう。

宿に着く頃にはとっぷりと沈んでいて1日の充実体感から19:30ぐらいかと思われたがまだ17:30だった。


宿の一室しかない洋室を占拠し、1人に一つ与えられた長ソファにどっかりと寝そべりながら、全然お腹空かへんなと言いつつ、ご飯を食べに行ったらしっかりと平らげ、TVのモノマネ番組を見てお風呂に入った。

その間深刻すぎることも軽薄すぎることもない(実際は「上の家からの水漏れで家リフォーム中やねん」など状況としては深刻なのもあったが)話をずっとして12時には寝た。
昔なら朝までコースか。
大人は明日の大切さを知っているので早く寝るのだ。

ちなみに彼女に自分を作る三要素ってなに?と聞くと「怒り・知識欲・おしゃべり」とのこと。
深くて広い知識から巧みなおしゃべりを繰り出し「なんか面白くて変わった人」と思われがちのようだが、傍には常に怒りを置き、自分に対して何より厳しい目を持ち、誰に対してもいうべきことは言う。
私は肉体的にもメンタル的にも彼女以上のタフネスには会ったことがない。


そしてものすごく社交的で明るく人懐っこい。
私は常々自分は社交的な性格であると思い生きているが、それはあくまで成長する過程で「そっちの方が良さそう」と身につけた技術のようなもので、彼女もいると本来は人見知りの引っ込み思案で意気地なしが性分であったことに気付かされる。とても新鮮だ。

気づけば四半世紀の付き合い。
彼女がいるなら関西に戻って住むのも悪くないと思える。

後半へつづく!
(キートン山田の声で)


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