見出し画像

Sc.110 手塩の報われどき

休む。
代休消費もサラリーマンの務めよ。

普通に起きて、普通に朝をこなす。
夫が最後まで布団にくるまってヌクヌクしていたので、ズルイズルイとあからさまな嫉妬心を剥き出しにしてみたところ、ねたみそねみは怖いねぇと布団の中でモゴついていた。

朝ごはんは丸パンにハムやレタスや目玉焼きを挟んでバーガー風にしたが、アボカドなど具材を欲張りすぎたため食べたそばから崩壊を起こし、家族から食べにくいというブーイングが起きた。
うまいハンバーガーは食べにくいもんやろ、という強硬姿勢で突っぱねた。

夫は昨夜からおでんを仕込んでいる。
今朝も火入れをしたりと何やかや手をかけ、並行して水キムチと甘酒を作り、部下に指示の電話をしていた。
スーパーリモーターだな。

一階に2人いても気が散るので私は二階に行き、ベッドに転がって日記を書きながらウトウトしたりと、休みを噛み締めた。

昼ごはんに夫が水キムチの漬け汁で作った冷麺をしてくれ、ウッマーと秒で食べた。汁を飲み干してもよい麺類は精神的にも良い。

午後から美容院。
とてもよい感じに仕上がり人生への満足度が上がる。

そのまま英語を話しに行き、長男の参観日の話をした。あの安堵やうれしさは「JOY」なんだな。
日本語は「高かった」「高くなかった」の用法を教えてほしいとのこと。
タカカカカッタ、タカカカクナカタカッタ、と中々ファニーな調子で発音していたが、本人は悔しかったようで、小さい声でfxxkと呟いていた。
おぉ、ほんまもんのFワードや。

サッブィ、と家に帰り、夫のおでんを食べた。ちくわぶがブワブワに煮込まれていて初めて心から美味いと思った。

次男は餅巾着の餅だけ吸い出していた。
長男はスジ肉に目を輝かせ、ジャガイモにこれ美味しいと喜んでいた。

夫は最近、カレーを作れば溶け残り、焼きそばを作れば味が濃すぎると、子どもたちから手厳しい評価を受けていたので、うまうまとたくさん食べる子らを眺め、感無量の様子だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?