自分の中の真っ黒なもの

もういつからかはわからないけど、物心ついたときから、自分の中には白いハート型の『こころ』があって、傷ついたときにはそこから赤い血が出る。そんなイメージがこびりついている。

高校生になるとそれは、丸いぼやっとしたブラックホールみたいなものに変わっていった。傷が見えるものではなく、目を背けないと飲み込まれる絶対に近づいてはいけないなにか。
その頃から、傷つく自分を直視できなくなった。

大学生になると、視界からなくならないくらい、その黒い何かは大きくなった。
いつか弾けて自分全部が飲み込まれるんじゃないかと思っていたものは案の定弾けて、私全部を飲み込んでしまった。

その日からHSPの自分から目をそらし続けていた私の『パニック障害』との長い付き合いが始まる。

薬である程度その黒い何かは小さくなる。
でも、ふとした拍子になんの前触れもなく『それ』にのみ込まれる。

そして今日が『それ』だった

自分には全く関係のない、社長から他人への叱責。なんであんな言い方するんだろ。
仕事できる風に見えるとでも思ってるんだろうか。
そんなこと思っている間に、本能的にやばいと思い始める。

少しでも『それ』に目を向けてしまったら、あとは坂を転がるようにあっという間だ。

すぐに飲み込まれてしまった。まずい、息ができない。静かに静かにパニックになっていく。
そういうときに限って社長からきつめの指摘をうける。

もうおしまいだ。仕事辞めよう。でも辞めたらどうやって生きていけばいい?自分が今やってる仕事は?社外のお世話になっている大好きな人たちとの関係はどうなる?だめだ無理だ辞められない。でもここにはいられない。仕事しなくちゃ。でも何も頭に入ってこない。もうだめだ。無理だ。明日も明後日もずっとここに来ないといけない。辞めよう。でも私が辞めたら…

堂々巡り。そして詰み。

ふとした拍子に抜けられるのだろうと思う。
でも、またふとした拍子に飲み込まれるのだろう。

いつかいつの日か真っ黒な『あなた』と手を取り笑える日が来るといいな。

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