はじめて愛されて、パニック障害になりました⑦

カウンセリングに行くのは、随分勇気のいることでした。他人に話を聞いてほしいわけじゃない。自分は別に不幸じゃない。死にたいって思ったのは今に始まった話じゃない。
それでも足が向いたのは、フリだったとしても前向きな私を彼に喜んでほしかったから。

カウンセリングでは、自由連想法の精神分析を受けました。ただただ頭に浮かんだことを言葉にする。それはどんなに辻褄が合わなくたっていいし、どんなに突飛のないものでもいい。先生はただそれをメモに残す。先生は後ろにいて、顔も見えない。

これが私にとってはすごく合っていたんだと思います。

話すことなんてなにもないと思っていたのに、私の口からは壊れた蛇口みたいに言葉が溢れるのでした。

母のこと。父のこと。昔あった嫌だったこと。大学であった辛かったこと。今すごくすごく苦しいこと。

今まで見ないようにしていた、そのせいで代わりに傷ついていたもう一人の自分がはじめて声をあげました。

あなたが目を背け続けたせいで、私はこんなになるまで誰にも気付いてもらえなかったんだ。本当はこんなにもこんなにも傷ついていたのに、全部なかったことにならないのに、私を見つけられるのはあなただけだったのに。気づいていたのに気づかないフリして。どうしてこんなになるまで一度も見てくれなかったの?

そんな悲鳴が自分の中から聞こえてきて、はじめて自分が傷ついていたことを認めようと思ったのです。

一定の時間が経ったあと、先生は面談で
『愛されないとね、愛されてないことに気づかないんだよ』
と言いました。

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