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隙間時間は、ゆとりの時間

「ほんと そうだよねー。」
「確かに 待つということが以前よりもずっと少なくなったよね。」
皆、うんうん頷きます。

昼下がりのこざるカフェ、
先週金曜日に放送したラジオ番組、『高橋源一郎の飛ぶ教室』を聴き逃し配信で流しています。
この日のテーマは、「"待つ"を考える」で、
番組内で、今は携帯電話があるので待ち合わせをして遅れる場合でもすぐに連絡がつくけれど、
昔は ずっと待っているということが珍しくなかったと話していました。

「喫茶店で、待ち合わせの相手が来ないなぁって、ずーっと待ちぼうけもあったよね。」
「すぐ来るのか、30分来ないのか、もっと遅れるのか、わかんないから、ずっと待ってるんだけど、
その間に、いろいろ考えたり、本を読んだり…」

そうです、スマホはないのですから、スマホで他のことをするということも出来ません。

「でも、そういう時間、他のことができない時間で、いろんなことを考えたり、思いにふけったり…」
「ゆとりの時間だったんだよね。」
皆、うんうん頷きます。

「今はスマホがあるから、電車内で移動中でも、いろんなことが出来てしまって、
ぼんやり考えるなんてことは少なくなったんだよ。」
「ゆとりの時間、隙間時間が埋められちゃって、効率がいいってなっちゃって….」
「本当は埋めちゃいけない、隙間は大切なんだよ!」
「僕たち、毎日、隙間だらけで、ちっともテキパキできないし、ぼんやりと考え事していたりするけれど…」
「しかも それも大したことじゃないんだけどねー、明日の朝、何食べる?とか….」
皆、笑いながら うんうん頷きます。

世の中、どんどん便利になっていっているのに、何故かいつも時間が足りない….
そういうところに理由があるのだと思います。

ラジオから優しいギターの音色にのって歌声が聴こえてきます。

「これ以上何を失えば 心は許されるの
どれ程の痛みならば もういちど君に会える
One more time 季節よ うつろわないで
One more time ふざけあった 時間よ」

山崎まさよしの『One More Time, One More Chance』です。

こざる達は静かに聴いています。

「くいちがう時はいつも 僕が先に折れたね
わがままな性格が なおさら愛しくさせた
One more chance 記憶に足を取られて
One more chance 次の場所を選べない」

「そろそろ おやつにしようよ!」
「そうしよう!」
「じゃあ りこちゃん、呼んで来るよー!」

こざるちゃんが歌いながら、りこちゃんの部屋へ向かいます。

「いつでも捜しているよ どっかに君の破片を
旅先の店 新聞の隅
こんなとこにあるはずもないのに
奇跡がもしも起こるなら 今すぐ君に見せたい
新しい朝 これからの僕
言えなかった『好き』という言葉も」

「りこちゃーん、おやつの時間だよー。今日は シャキシャキ梨だよ! 一緒に食べよう!」

「いつでも捜してしまう どっかに君の笑顔を
急行待ちの 踏切あたり
こんなとこにいるはずもないのに
命が繰り返すならば 何度も君のもとへ
欲しいものなど もう何もない
君のほかに大切なものなど」

こざるカフェは、今日も ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
まだまだ熱中症に警戒の日々が続きますので、どうぞ気をつけてお過ごしください。
よい毎日でありますように (^_^)

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