毎日、無事に、楽しく幸せに

「何だか今朝は また夏が戻ったみたいだね。」
「気温が上がるって天気予報でも言ってたよー。」

９月に入って最初の平日、月曜日です。
こざる達は 今朝も、いつものようにわいわいお喋りしながら、
朝ごはんの仕度をしています。

「今日から学校も再開だね。」
「外が賑やかだよ。」

通学の子供達が通ります。
今までの平日は夏休みの静けさだったのだと実感します。

「どの子供達も、皆、無事で幸せに日々を過ごして行かれれば
いいなって思うよ。」
「そうだね、特別にいいことなんかなくても、毎日、普通に過ごして行かれればね。」
皆、うんうん頷きます。

こざるちゃんが おまじないのように言います。

「人は何かをしに
生まれてくるわけではありません。
生きているのが楽しくて
幸せだと思えるように生きる、
そのために生まれて、
生きているんです。」

「谷川さんだよ!」
「谷川俊太郎さん?」
「うん!」

そう言って、こざるちゃんは一冊の本を持ってきます。
『星空の質問箱』という題名の青い星空の表紙の本です。

「この本の中で、いろんな質問に 谷川さんが答えているんだ。」
「へー、じゃあ今のも質問されて、答えたんだね。」
「うん、そうだよ。」

こざるちゃんが頷いて、質問を読みます。
「人は、何をしに生まれてくるのですか。」

10歳の子供からの質問です。

「生きているのが楽しくて、幸せだと思えるように生きる、
そうだよ、その通りだよ。」
皆、うんうん頷きます。

「まるで今の りこちゃんのようだね!」

80を過ぎた りこちゃん、入院して手術も経験しました。
今は、無事に回復して、在宅でのんびり過ごしています。
毎日、よく笑って、よく食べて、
認知症のおかげで嫌なことは全て忘れて、
楽しいことしか覚えていないようです。

朝ごはんの仕度ができたようです。

「りこちゃん、呼んでくるねー。」
こざるちゃんが、りこちゃんの部屋へスキップしながら向かいます。

「りこちゃーん、朝ごはんできたよ。
今朝は焼き鮭と おいしいツヤツヤごはんだよ!
豆腐と葱の味噌汁と玉子焼きも作ったし、望美さんから届いた美味しいスイカもあるよ!
皆で一緒に食べよう!」

こざるカフェは、今日も ゆっくり始まって
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
しばらく残暑が続くようです。どうぞご自愛ください。
よい毎日でありますように (^_^)