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如雨露で世界中の空気を綺麗に

「やっぱり ちょっと乾いていたから、お水、あげて来たよ!」
こざるちゃんは、いくつかある植木鉢の水やりをしました。

昨日は朝から夕方まで大雨でしたが、今日は朝から気持ちよく青空が広がって、いいお天気です。

「今朝は、まだ昨日の雨の水分が土にたくさんあったから、水やりはしなかったんだ。」
こざるちゃんが、手に持ったジョウロを撫でながらいいます。

「昨日は、避難しないとならないくらい大雨だった地域もあったけれど、
でも恵みの雨だったね。」
「空気が綺麗に洗い流されて、ウィルスも一緒に洗い流されたからね。」
皆、うんうん頷きます。

「うんと、ジョウロって、漢字で書くと とっても美しいんだよ!」
こざるちゃんが、ちょっと得意そうに言います。
「昨日、知ったんだけど、雨露の如しって書くんだよ!」
「雨露の如し?」
「うん、如しがジョで、雨がウ、露がロだよ。」
「あ! 如雨露!」
「雨露の如し、とっても美しい名前だね。」
皆、うんうん頷きます。

「今日は、穀雨だよ!」
「これから雨の日が増えていくんだね。」
「晴れて青空、白い雲だと、やっぱり嬉しいし、元気が出てくるけれど、でも雨の日も必要だよね。」
「穀物はもちろん、あらゆる生き物には水が必要だよ。」
「昨年までは、雨で花粉が洗い流されていいなって思ってたけど、今はウィルスが洗い流されて、
空気が綺麗になるからね。」

コロナウイルスは、まだまだわからないことばかりですが、それでも少しでも雨で洗い流されてくれればと思います。

ラジオからニュースが聴こえてきます。
もちろん最初は、新型コロナウィルスのニュースです。

「このニュースを毎日、何度も何度も、世界中の人が聞いているんだよ。」
「今日、新たに感染が確認された人は何人、何県で何人、日本で何人、海外では何人…」
「世界中では何人とか、一番多い国はどこどこで何人とかね。」
「なんだかね、こうして数字だけ聞いていると、だんだん麻痺してくる気がするよ。」
「昨日より少ないと、あ、減った、よかったーって思っちゃうけれど、でも...」
「具体的な数字は、単に多いとか少ないっていう抽象的な表現よりもずっと実感があるしイメージしやすいけれど、でも…」

こざる達は、顔を見合わせます。

「数が多いとか少ないにかかわらず、一人一人が、かけがえのない大切な命なんだ。」
皆、うんうん頷きます。

その一人一人が、必ず誰かとつながっています。
心配している人が、早く良くなってほしいと祈っている人が必ずいます。
その命を救おうと懸命に闘っている人達もいます。

「世界中の如雨露で、たくさん雨が降るように、ウィルスが洗い流されてなくなって早く終息するといいな。」

「そろそろ、おやつにしようよ!」
「今日は、カステラがあるよ!」
「やったー!! じゃあ りこちゃんに、おやつだよって言ってくる!」

こざるちゃんが嬉しそうに、りこちゃんの部屋へ向かいます。

「りこちゃーん、おやつの時間だよ! 今日は、ふわふわカステラだよ! 一緒に食べよう!」


こざるカフェは、今日も ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
明日はまた雨のようですね。
よい毎日でありますように(^_^)

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