見出し画像

春の便り、たらの芽の天ぷら

「りこちゃん、どう? 」
「美味しい?」
「うん、美味しい!」

今日も りこちゃんと こざる達は皆で一緒に 賑やかに夕食を食べています。

「今日は、カフェの常連さんが、たらの芽の天ぷらを作って持ってきてくれたんだ。」
「それで 皆で食べているんだ。」
「春の味なんだよ!」
「ちょっと苦いけど、これが春の味なんだねー。」
こざるちゃんが しみじみと言います。

「ぼく、"たらの芽"って聞いて、魚かと思ったんだ。」
こざるちゃんが りこちゃんに言います。

「魚の鱈の目玉かと思ったんだよ。」
「あらー、そうなの?」
「うん、だって鮪の目玉は食べるでしょ?」
「そうねー。」

確かに食べますが、普通に食卓にはのぼらないかと思います。ビニール袋に沢山入って売られているのを見た時は、半端なくグロテスクで、卒倒しそうになりました。

「それで見てみたら、植物だったから、植物図鑑で調べたんだ。」
「タラノキの新芽なんだよ。」
「綺麗な若緑色の芽が木から出ていて、それを食べるんだ。」

春の山菜の季節ですね。

「山に春が来ているんだね。」
「これから、次々に春の便りが届くよね。」
皆、嬉しそうに うんうん頷きます。

ラジオをから、皆の大好きな歌が流れてきます。

「春は名のみの風の寒さや 谷の 鴬 歌は思えど
時にあらずと声も立てず 時にあらずと声も立てず」

『早春賦』です。

こざる達も、そして りこちゃんも嬉しそうに一緒に歌います。

「氷解け去り葦は角ぐむ さては時ぞと思うあやにく
今日もきのうも雪の空 今日もきのうも雪の空」

「お味噌汁も、御飯も、おかわりあるよー。」
「はーい、おかわりするー。」

「春と聞かねば知らでありしを 聞けば急かるる胸の思いを
いかにせよとのこの頃か いかにせよとのこの頃か」


こざるカフェは、今日も ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
また4月頃の気温になるようですね。
よい毎日でありますように (^_^)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?