プレッツェルを食べるには
「うん、やわらかくなるよ。」
「ほんと?」
「塩で ちょっとしょっぱいから、シチューと食べると 美味しくなる感じだね。」
こざる達は、今日も楽しく賑やかにお喋りしながら、夕飯の仕度をしています。
今夜は クリームシチューのようです。
「さっき、駅の向こうでやっているクリスマス・マーケットを ちょっと覗いてきたんだ。」
買い物当番のこざる二人組が、買い物ついでに ちょっと様子を見に行ってきました。
「そしたら、ドイツパンのお店があって、とっても美味しそうで、ちょっと買ってみようよって、プレッツェル、買ってきたんだよ。」
ドイツパンといえばプレッツェルです。
「でも、堅いパンだから、りこちゃんには ちょっと難しいかなぁって、うまく食べる方法を皆で考えて…」
「ビスコッティをコーヒーに浸して やわらかくなってから食べるみたいに、何かにつけてやわらかくしようって…」
「じゃあ 寒いし、シチューにしようよって、それで シチューになったんだ。」
そして出来上がったクリームシチューに早速 プレッツェルを浸して、皆で食べています。
りこちゃんは今も 自前の歯が ほとんど全部残っています。
それでも 食べ物をうまく飲み込む力…うまく嚥下する力は、年齢とともに衰えてきます。
誤嚥しないようにと こざる達は いつも気をつけています。
「これなら りこちゃんも食べられるよ!」
「よかったー、りこちゃん、喜ぶよ!」
皆、うんうん頷きます。
ラジオから ポップな歌が流れてきます。
「もしも雪の国が 私のふるさとだったらいいな どうしても
そして丘の上のレンガ造りの家ならばいいな
煙突が高ければいいな どこからでもわかる」
松任谷由実の『3-Dのクリスマスカード』です。
こざる達も一緒に歌います。
「屋根に上って遠くを見渡せば 空がシュガーをふるいにかけている
イヴの夜までに間にあうように Christmas Cake」
夕飯が出来たようです。
「りこちゃんに、夕飯、出来たよって言ってくる!」
こざるちゃんが 歌いながら りこちゃんの部屋へ向かいます。
「汽車は凍った小川を横切って 広い銀色野原を急いでる
まるで立体の Christmas card」
「りこちゃーん、夕飯が出来たよ。今日は暖かいクリームシチューだよ。プレッツェルもあるよ!
皆で一緒に食べよう!」
こざるカフェは、今日も ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。
読んで下さって、どうもありがとうございます。
週末にかけて、気温が下がっていくようですので、どうぞ暖かくして過ごされますように。
よい毎日でありますように (^_^)
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