正月休みの浦島太郎

「いい天気だねー。」
「昨夜から朝方は すごく冷えたけれど、冬の空だよ。」
「うん、快晴だよねー。」
「気持ちいいねー。」
皆、うんうん頷きます。

1月5日の日曜日の朝です。
こざる達は今日も元気に 楽しくお喋りしながら 朝ごはんの仕度をしています。

「ただいまー。」
「お帰りー。」

近くの美味しいパン屋さんから こざるちゃんが帰って来ました。

「ものすごく混んでいたんだよ! イートインで食べるところも、いつもの週末みたいに混んでいたよ。」
「明日から いつもの生活に戻る人が多いからかな。」
「そうだねー、今日まで休みだから、じゃあ朝から ゆっくり美味しいパンを食べようって思っている人が多いんだよ。」
「それで、明日から また頑張ろうっていう具合だよ、きっと!」
「一般庶民は、考えることは同じだね。」
皆、うんうん頷きます。

「毎年、師走になって、年末がどんどん近づいてきて、忙しくなってきて、わー今年ももう終わっちゃうよーってバタバタして...」
「大晦日になって、あっという間に除夜の鐘の時間になって、年が明けて、おめでとう、おめでとうって言って….」
「初日の出だ! 初夢だ! って 何でもめでたい、めでたいって 賑やかになって...」
「でも 箱根駅伝が終わって、4日、5日になってくると、現実に戻ってきて、あれ?って思うよね。」
「大騒ぎしているけれど、実は普通に時は流れていて、まるで浦島太郎のように魔法がとけたような感じかな?」
「そう、そんな感じ….なんだか寝ぼけ眼で、あれ?っていう感じでパン屋さんで並んでいる人が多かったよー。」
皆、笑いながら 頷きます。

明日からは、また忙しい現実の日々の人が多いことでしょう。
休みの最終日の今日は、せめて美味しいパンを食べて、明日から頑張ろうと自分を励ましているのかもしれません。

朝ごはんが出来たようです。

「りこちゃん、呼んでくるねー。」

こざるちゃんが鼻歌を歌いながら りこちゃんの部屋へ向かいます。

「りこちゃーん、朝ごはんが出来たよ! 美味しいパン、買ってきたよー。クロワッサンも、塩バターパンも、あんパンもあるよ!
美味しい野菜スープも作ったよ! 皆で一緒に食べよう!」

こざるカフェは、今日も ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
またいつもの平日に、ゆっくりゆっくり試運転で戻れますように。
よい毎日でありますように (^_^)