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退屈な仕事がエクササイズに変わる~心の捉え方

普段、何気なく行っている作業や仕事であっても、そこに目的を持って取り組めば、思わぬ効果を得られることがあります。どこに意識を向けるかによって、たとえつらい仕事であっても、それがちょうどよいエクササイズになることもあるのです。


ホテルの清掃作業がエクササイズに変わった

2007年に、スタンフォード大学のアリア・クラムとハーバード大学のエレン・ランガーは、のちに多くの研究者から注目される興味深い研究を発表しました。彼女らはホテルの清掃員80人を集め、こんな実験を行いました。

ホテルの清掃作業は、ベッドメイクをしたり中腰で作業をしたりと、かなりの重労働です。そこで、それらの作業がどのくらいの運動量になるかを伝えたのです。
掃除をすることにより消費するカロリーの量や、掃除機をかける身体の動きは、心肺機能を高める体操と同じ効果があることなどを説明しました。

すると数週間後、驚いたことに彼らの体重が実際に減り、コルステロール値なども下がっていたのです。いつもより余分に働いたわけでも、なにか別の運動をしたわけでもなかったのに、です。いったい何が、彼らの身体に影響を与えたのでしょうか。

どう認識するかによって、身体も心も変わる

仕事や作業をどう認識するかによって、それは私たちの精神に影響を与え、実際の活動においても変化をもたらします。
仕事は運動にもなるのだと認識すれば、長い勤務時間中の肉体労働も、前向きに取り組むでしょう。また、身体を鍛えるきっかけにもなると思えば、モチベーションも高まります。

さらに、どう認識するかは脳神経レベルでも影響を与えることが、多くの研究からわかっています。仕事を運動だと思い込めば、脳の神経細胞であるニューロンは、運動としてふるまい発火します。それは生理学的反応にも変化を及ぼすことが観察されています。

あなたの仕事に対する捉え方次第で、仕事に対する結果は変わってくるのです。上記の例は、仕事をエクササイズとして認識しましたが、これは別の意味に応用することもできます。

仕事を再認識する

あなたが上司であれば、部下に仕事はどういったものだと伝えているでしょうか。もし仕事は給料のために仕方なくやる苦痛で退屈なものだと、気付かないうちに伝わっていれば、部下はそのように振る舞います。

そうではなく、たとえば、仕事は大変だけれども成長と学びの機会だと伝えてみたらどうでしょう。あるいは仕事に困難はつきものだけれど、人の役に立つものだと伝えてみてください。きっと結果は違ってくるはずです。

仕事をどう認識するか、もう一度仕事のありかたについて捉えなおしてみてはいかがでしょうか。あなたの考え方次第で、仕事はエクササイズにも、成長の機会にもなるのです。

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