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フォトレシピの情報環境

写真を撮るためには、カメラの設定だけではなく、撮影環境そのものを考えたり調整したりする周辺の設定(準備)が必要です。
この記事では、撮影環境+カメラ設定=撮影ノウハウ(フォトレシピ)としてそれらの情報をどのように手に入れているのか考えてみます。

カメラの自動化は進みましたが、撮影環境を作ったり、表現のための設定は、撮影者が自分で考えて行動しなければなりません。

そのための情報・知識はどこからくるのでしょうか

昔は、カメラはお父さんのものであり、男の子が機械に興味が出てくる年齢になると特別なものとして触らせてもらって、撮り方を教えてもらうというのが定番だったと思います。

ところが、昭和時代の最後、平成の初め頃に「写ルンです」など安価なカメラが登場し、お父さんに教えてもらう前に、男の子も女の子も、友達同士で教え合いながらカメラデビューしてしまうようになりました。

さらに、最近では、ケイタイやスマホが初めてのカメラという人も増え、学生生活の一部になってきています。

実際のところお父さんの説明など、カッコいい写真を撮るために何の役にもたっていなかったのですから特に社会問題にもなっていないませんが、

世の中にある写真の撮影ノウハウの情報環境について書き出してみます。(やっと本題)


ムック本

カメラの新製品がでるごとに、機種名を明記した撮影ガイド的な本が発売されます。

内容はトリセツ的なことと、撮影テクニック、レンズやアクセサリーの紹介といった構成が多く、

特に、下位機種では「入門機」としての性格を強く表した内容にしたり、逆に上位機種ではより細かい機能や技術に説明にスペースを割く傾向をはっきりと出すことができ、

機種間にあまり違いを出せない同梱の取扱説明書を補うために現在のカメラビジネスにはなくてはならないものになっています。

機能や設定が多い機種では、ムック本がポイントになるところを整理してくれているので一度目を通しておくと頭の中が整理できる

カメラ購入後にムック本を買う場合が多いと思いますが、本屋という日常空間で露出されるため、ムック本をみてからカメラを買う人もいて、ムック本の出来によってカメラの売り上げにも影響を与える場合もあります。



フォトスタイルブック

ムック本がカメラの説明や操作にフォーカスしているのに対して、フォトスタイルブックは「写真」視点からスタイルの提案と解説が主な内容となっています。

タレントのライフスタイルブックが、実際には写真集の一形態ということから、同じ呼ばれ方をされることもあり少しややこしいくなっている。

特定の表現に特化することで、無駄なく情報を得ることができる。

ふんわりフォト、モノクロフォトのように写真表現の切り口のものから、猫の撮り方、飛行機、鉄道の撮り方のように被写体別に作られているものもあり

カメラの基本操作が分かっているユーザーには、自分の好きなジャンルの撮影ノウハウを効率的に知ることができるのが便利です。


女性誌

Instagramで見るようなステキなエフェクトが何というアプリで作られているかは、Webメディアや女性誌あたりから、名前が広がり、後はインストールして色々試してみるということになります。

そこで気に入れば、友達に自慢しどんどん情報が広まっていくことになります。

最近では、複数のアプリでエフェクトを掛け合わせるような「技」も使われているようなので、その辺りは個人の努力というよりも情報ルートを上手く活用していく必要があります。

スマホアプリと同じように、記事の中にカメラのある生活や、写真の楽しみ方の特集などもありますので、その辺りから撮りたい写真に出会う人も多いのではないでしょうか。



写真教室・フォトサークル

町のカルチャーセンターから、メーカーが主催するものまで多くの写真教室が開催されています。

内容は講師から簡単な説明があった後で、実際の撮影をしながら細かい説明を受け、最後に作品発表で、さらにアドバイスをもらうという進行が一般的だと思います。

メーカーもカメラを売るだけでなく積極的に写真を撮る知識や、自分の好きな写真に出会うための活動をサポートしている

新しい知識を得るためだけでなく、同じ趣味の人で集まって撮影会をおこなうという感じで参加している人が多いのではないでしょうか。

そういう意味で、長期的な関係を作るサークル活動と、短期的に気軽に参加できる写真教室の両方が上手く機能していると思います。



カメラ雑誌

朝日カメラ、日本カメラ、カメラマンなどなどの専門雑誌には当然ながら、たくさんの撮影ノウハウ情報が掲載されています。

ただし、巻頭部分の芸術としての写真の掲載、カメラの技術解説、読者投稿の写真講評など、フォーマットが固定されており、幅は広いが、切り口が狭いという感じがあります。

それでも、毎月3誌くらいは最初から最後まで目を通していて、勉強になることは多いです。


メーカーのWebページ

製品の情報を知るために見る人が多いメーカーのWebページですが、実際には製品の情報の他に、「Q&A」や「技術解説」などをサポートページにおいてあり、取扱説明書で記載できなかった内容をフォローしていたりして、隠れた情報源になっています。(よっぽどのことが無いとたどり着かないと思うけど・・・)

サポート情報の中にある「撮影の基礎知識」のページ。全ての製品に共通する情報の置き場所として各社ともサポートの中に同様の情報が隠されている。



カメラの中

この記事で一番書きたかったのが、カメラの中の撮影ガイドなのです。(デジカメUIとして)

デジカメの機能は、ある程度体系的にできており、特にメニューはきれいな階層構造になっています
全てのメーカーは「機能別」になっており、機能の内容を理解できていれば比較的容易に探すことができます。

最近のカメラでは、メニュー項目に対しての説明を表示できるようにして機能の内容を理解しやすくしています。
しかし機能の役割やどんなときに使うものなのかという情報までは知ることができません

NIKON D3400のヘルプ表示。最終的に使うようになる実際のメニュー画面の中で学習できるようにしている

それに対し、撮影ガイド(カメラガイド)では「目的別」に選択できるようにして、シーンや状況、表現やテクニックが見出となるようにしています。
いわゆる目的別逆引きで、撮影ノウハウ全体の説明から、必要なカメラの設定に向けて説明がおこなわれます

カメラの設定がその場でできるものもあり、第二のメニューのようになっています。

NIKON D3400では モードダイヤルにGUIDEモードがあり、その中でやりたいことを選んで撮影する



このようにガイドの形をとっていませんが、シーンモードや、エフェクト(アート)、テクニックモードがこのような逆引き的な情報構造で作られ、モード選択画面で作例写真や解説が表示できるようになっていカメラもあります。

オリンパスの最近の機種では、シーンモードとアドバンスフォトモードで撮影イメージや目的を分かりやすくガイドしている

最近のカメラは使えるメモリーも増え、画面表示もキレイになってきておりカメラ内でガイドコンテンツを表示することは問題ないが、
スマホ連携でスマホに表示できるようになるともっと使いやすくなります。

スクロールなどがやり易いスマホで説明を読んで、そのままカメラの設定をリモコンでおこなえれば、カメラを撮影モードとガイドモードを切り替えなくても使うことができ、簡単にガイドコンテンツのアップデートも容易になります。

書籍の画像はAmazonから引用しています。
画像にはAmazonの商品ページへのリンクが張られています。

製品の画像は各メーカーのホームページから引用しています。
画像にはリンクが張られています。

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