koyoko | デザイナー

体験設計を実現するシステムデザインのために、モデルベース開発、ドキュメント管理、プロト…

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体験設計を実現するシステムデザインのために、モデルベース開発、ドキュメント管理、プロトタイピングに奮闘中。ときどきカメラや写真撮影のことを書きます。

マガジン

  • ユースシナリオの考察

    デザイン対象が体験(UX)に軸足を移し、実現技術としてAIやロボティクスが登場する中で、スケッチやCADからユースシナリオを軸にしたデザイン思考が重要になってきている。

  • 思考の下書き

    考えていることをまとめるための下書きです。公開するというプレッシャーによって思考を深めることが目的です。

  • システムデザインとCosmic Design

    デザインシステムの領域をプロダクトデザインからシステムデザインに拡張し、それぞれAtomic DesignとCosmic Designとして体系化・ツール化していきたいと考えています。

  • 体験設計のためのプロトタイピング

    体験設計の理解の助けになるように「体験設計のためのプロトタイピング」という具体的な活動において「どんなことに着目して」「どんな風にやったらよいか」とうノウハウを共有するためのマガジンです。

  • 写真を「撮る」ということ

    日々写真を撮っていく中で感じたこと考えたことを写真とともにゆっくりと伝えていきたい。 カメラの操作は必ず表現したい何かとつながっています。カメラのUIをより良く知るための情報も織り込んでいくつもりです。

最近の記事

「ユースシナリオ」マガジンはじめます

前回の記事で「でざいんにとってのユースシナリオとは」というタイトルで、realisticとfictionalあるいはbeforeとafterという相反する性質を持つユースシナリオがこれからのデザイン活動の中で両方必要になってくるという話を書きました。 会社には色々な役割の人がいて、それぞれのチームの中で固有の用語によって活動をしています。その中で法規制や安全性に深く関わる部門では事実に基づくユースシナリオが中心にあり、一方でイノベーションやクリエイティブの部門では創造による

    • デザインにとってユースシナリオとは

      「モノのデザインからコトのデザインへ」と言われていた時代から最近のUXデザインまで、経験や行為、認知や感情、文脈を扱う手段として「シナリオ」という表現が活用されてきました。これには小説のような文章を指す場合と、タスク分析のためのユーザー行為の時系列的なリスト、さらにインフォグラフィックで表されたジャーニーマップまで様々な形式があります。 しかし重要なのは表現形式の違いではなく、デザインのどのフェーズでどのような目的にユースシナリオを使うのかということになります。空想をベース

      • 人間中心設計からモデルベース開発まで、最近考えていること。

        以前の記事を書いてから相当時間が開いてしまいました。いくつか理由はあるのですが、一番大きいこととしてはこのブログでおこなっていた個人でのデザイン研究を会社の業務として利用するようになり、リアルな話が公開しにくくなったというのがあります。 デジカメの創成期から立ち上げに関わりデジタルならではのUXデザイン/体験設計を通して、それを実現するためのシステム全体のデザインプロセスに着目し研究してきました。自分としては会社の価値を上げる研究と思っていたのですが認められず上司から個人研

        • クリティカルシンキングとポジティブシンキングでつくる「シン・デザイン思考」

          いま会社の研修として「クリティカルシンキング」のクラスに参加しています。昔から〇〇思考というものを色々と見聞きしてきたので、クリティカルシンキングも論理的思考の一つくらいにしか思っていなかったのですが、実際にクリティカルシンキング脳を持っている講師に接することで面白いことに気付きました。 クリティカルシンキングってなに?「不足している視点を探す」「自分の常識を疑う」「根拠は何と聞く」など、ちょっと面倒くさい感じで仕事仲間としては良いけど、一緒に遊びにいくのはちょっとと思うよ

        「ユースシナリオ」マガジンはじめます

        マガジン

        • ユースシナリオの考察
          2本
        • 思考の下書き
          29本
        • システムデザインとCosmic Design
          45本
        • 体験設計のためのプロトタイピング
          27本
        • 写真を「撮る」ということ
          193本
        • ロボットとデザイン
          15本

        記事

          エンジニアリングとデザイニングの違いと役割

          2024年 新年あけましておめでとうございます。 今年も、どうでもよい話の中に何か大事なものを発見できるような記事を書いていきたいと思っていますので、引き続きよろしくお願いいたします。 まずはいきなり愚痴っぽいことから書き出します。 欧米ではエンジニアがおこなう「設計」のことをDeignと言うらしく、グローバル企業では〇〇デザイン部門が沢山できて、デザイナーたちは困惑しています。 一方でデザイナーはエンジニアとは別の職業として存在しており、行為としてのDesign(設計

          エンジニアリングとデザイニングの違いと役割

          デザイナーとポエマー 体験設計に必要なビジョンとは

          「ポエマー」とはポエムのようなデザインをする人で、デザイナーに対する揶揄を含んだ造語です。(詩人は正しくはpoet) IoTやAI、ロボティクスのような技術の進歩だけでなく、SDGsや気候変動、自然災害、戦争と言った複雑な事象の中でグローバルな活動を考えなくてはいけなくなっている現代、複雑化する環境の中でデザイナーがポエマーになっていると感じることがあります。そんな状況について書いてみたいと思います。 ポエムの何が問題なのかマンションポエムを目にしたことがあると思います。

          デザイナーとポエマー 体験設計に必要なビジョンとは

          拡張モデルベース開発で体験設計

          久しぶりにモデルベース開発について考えてみます。開発と言っても対象範囲は、経営レベルの企業価値やパーパス、ビジネス開発での提供価値やビジネスモデルと企業連携を含む内容から、製品・サービス開発に渡る領域を1つの体系として扱う話になります。 以前展示会で「NEXT DESIGN」という設計文書構造管理ツールの担当者と話をしたとき、実際にここまでの体系を一つのモデルとして扱っている事例はまだ無いそうですがデータの扱いとしては可能とのことでしたので、いつか試してみたいと思っています

          拡張モデルベース開発で体験設計

          体験設計プロトタイピングを定義してみる

          「体験設計」は製品やサービス(の機能)が生み出す使用体験や経験価値を意図的に設計する行為です。製品設計では試作とよばれるプロトタイプを用いて評価をしながら進めていきます。同じように体験設計でもプロトタイピングが必要ですので、今回の記事ではそれらを定義してたいと思います。 図面と試作製品設計ではアイデアを外在化する手段としてスケッチや図面があります。図面を描くことで多くの気付きがありますが、それを試作して実体化すると図面では気付けていなかったことが沢山出てきます。どれだけ緻密

          体験設計プロトタイピングを定義してみる

          プリウスの正しさとミステイク

          半年ほどnoteを放置しておりました。その間にTwitterがXになったりと世の中は激動しており、私も趣味が写真から釣りに変わったり、仕事ではUXを実現するデザインシステム(行為のアトミックデザインとか)に取り組んでいたりと大きく変化していました。 久々の記事は、先日信号待ちをしていたときにプリウスが信号無視をし、その運転手の顔が自信満々だったのを見て感じたことを書いてみようと思います。 プリウスは正しさの象徴ニュースでは気象変動や環境問題が取り上げられない日が無いほど日

          プリウスの正しさとミステイク

          プロトタイピング界隈として、あの「失敗」について言っておきたいこと

          JAXAのH3ロケットの打ち上げが延期になった件で、あらゆる界隈がザワザワしていますが、「意図的に失敗する」ための活動であるプロトタイピング関係者は失敗談義をニヤニヤしながら見ていると思うのでちょっとまとめてみます。(かつてこんなに「失敗」という言葉が話題になったことがあったでしょうか!) ・・・ 今回のH3の内容は「延期する条件を事前に設定していて、その条件に合致したため延期した」ということのようです。事故では無いという認識は共通のようですが、特定の条件に合わせることが

          プロトタイピング界隈として、あの「失敗」について言っておきたいこと

          おかえりCP+、サヨナラCP+

          2月の23日~26日の4日間にパシフィコ横浜でカメラと写真のイベント「CP+」が開催されます。毎年開催に先立ち展示内容の予想や期待を記事にしていたので今年もやっていきたいと思います。 4年ぶりのリアル開催まず一番の話題は、4年ぶりのリアル開催(会場で実機が触れる)ということです。CP+の名前の由来としてCamera、Photoの頭文字と、そこに加わる「+α」の体験というのがありますので、通常のホームページやYouTubeのコンテンツとは違うものを共有するためにはやはりリアル

          おかえりCP+、サヨナラCP+

          「生写真」論

          「なまじゃしん」とは何というエモい響きでしょうか。ただの写真と何が違うのか、生写真とは何が嬉しいのか考えてみます。 一般には化学的な現像処理によって作られたプリントを指すものですが、使用される範囲が限定されていることから、それ以上の意味を持った言葉となっています。 生命感を伝える生写真生写真はインクを使った写真と区別するために使われていましたが、実際にには被写体が人物の場合に使われるのがほとんどです。「建築の生写真」と言われてもピンとこないはずです。そのことから身体的な生

          デジカメ時代のフィルムカメラ開発(妄想では無い!)

          明けましておめでとうございます。2023年最初の投稿です。本年も色々なことを体験し、思考していきますのでよろしくお願いします。 昨年末にPENTAXから新たなフィルムカメラ開発のニュースが飛び込んできました。まだ具体的な情報が少ないため、どのような活動になるのか、そこからどんなカメラが誕生するのか分かりませんが、2023年はそのストーリーが一緒に楽しめるのではないかと期待しています。 カメラが発売されるよりも、これまで主にプロカメラマンとの対話のなかで作られてきたカメラと

          デジカメ時代のフィルムカメラ開発(妄想では無い!)

          メーカーが本気でプロトタイピングに取り組んできた

          完成は来年の春以降になりますが、富士フイルムがプロトタイピングを推進するために、デザインとIT(AI)を融合した新しいイノベーション拠点を作るというニュースが飛び込んできました。 「CLAY」には動画スタジオや3Dプリンター、塗装ブースなどを備えたプロトタイプ制作室、「ITs」には、ITエンジニア同士がディスカッションしコンセプトを作り上げるのに適した小グループのデスクレイアウトや、プログラミングをはじめ集中力を要する作業を行うための個人ブースなど、開発フェーズに応じて使い

          メーカーが本気でプロトタイピングに取り組んできた

          デジカメの歴史を振り返って「体験設計」を見つける

          誕生から現在まで約25年の間に多くの変化点を乗り越えてきた「デジカメ」の歴史を振り返り、その中から体験設計事例を見つけ振り返ってみたいと思います。 デジカメの歴史は外部環境の変化に振り回されるだけでなく、これまで何度も意図的に変化を起こしきています。単に記録方式がフィルムからデジタルになっただけではなく、デジタル化によって撮影体験そのものが広がる面白い事例になっています。 またカメラの歴史全体からも、人間から機械への操作や判断の主体が入れ替わるオートメーション化の道に対し

          デジカメの歴史を振り返って「体験設計」を見つける

          2022年秋冬のデジカメ新製品

          いや~楽しい。ここ1ヶ月ほどの間に色々なメーカーから新しいデジカメが発表されました。 まずはザっと並べてみます。いつもはメーカーサイトのリンクを貼るのですが、今回は時系列に並べるためデジカメwatchのリンクにしてみました。 ソニーとキヤノンはフルサイズ機のスタンダードモデルをしっかりバージョンアップしてきました。デジタルの新陳代謝は速いため機材のリプレースを考えている企業や個人に対して被写体認識AFの機能向上を打ち出しているかたちです。特に対象被写体の拡大がユーザー拡大

          2022年秋冬のデジカメ新製品