豊かなフォトレシピはユーザーコンテンツがつくる
撮影ノウハウ(フォトレシピ)の情報がさまざまな方法によって得られるという記事を前回書きましたが、
正直あまり面白い記事ではありませんでした。
と言うのも、「こんな種類がありますよ」とただ並べただけだったからです。
それも、どちらかというとメーカーやプロのライター、カメラマン、写真家からの情報を受け取るためのものが多く「宣伝」みたいでした。
今回は、みんなの役に立つ情報や情報が作られる仕組みとして「ユーザーコンテンツ」という視点を追加します。
①より多様な情報が欲しい
カメラの仕組みや、露出やホワイトバランスの説明をいくら知っても、実際に表現したいようには撮れません。
そのためにフォトスタイルごとに細分化された情報が提供されています。
ところが現在の出版のコストを考えると全てのジャンルの本を作ることはできません。
特に一般的ではないジャンルでは大手の出版社で扱われることが無いので、似たような内容の本ばかりが並んでしまいます。
ユーザーの一部の人が、自分の好きなジャンルのフォトスタイルについて、作品の発表と一緒にレシピを書いてくれれば、多岐に渡るジャンルを網羅することができます。
②撮影体験がメインコンテンツになる
ユーザーと言っても初心者から上級者までさまざまな知識・経験レベルの人がいます。
上級者は、経験や理論で撮影ノウハウについて理解しており、切っ掛けさえあれば誰かに教えたい(語りたい)と思っている人が沢山いると思います。
現在既に写真を公開して楽しんだりしている人が、フォトレシピを公開するようになれば、初心者などから感謝されたり、上級者同士で認め合うようなコミュニティができるはずです。
さらに、上級者だけでなく、自分の作品と工夫した点(失敗した点)をフォトレシピの形で共有する仕組みができれば、写真が最終アウトプットという旧来の活動から、撮影体験そのものがメインコンテンツになっていくことになります。
昔のゲームはハイスコアの情報だけが共有されていましたが、友達同士では攻略法(ノウハウ)が会話の中心でした。そして今ではゲーム実況が重要なコンテンツになっています。
今でもブログ記事で同様の発信をしているユーザーがいますが「クックパッド」のようにフォーマットを共通化して検索性と展開性(派生)を向上させることで新しい価値が生まれると思います。
③メーカー間で共通の中間フォーマット
フォトレシピは単に文章で撮影ノウハウを書くだけではありません。カメラの設定をカスタムモードのように設定できる仕組みと組み合わされます。
そのために、各社のカメラがフォトレシピからカメラ設定ができるようにしなければならないのです。
ニコン、キヤノン、ソニー、パナソニックはいづれも基本的なパラメーターのUIを提供しているので、相互にパラメーターの交換がやり易くなっています。
もしこの4社が中間フォーマットからの変換アプリ、またはAPIを出してくれればデファクトになることは間違いありません。
もちろん、アナログで実現する機能もデジタル技術で置き換え可能にすることで、スマホアプリもこの仲間に加わります。
独自のレシピにこだわりを持つ富士フイルムとオリンパスがどのように対応してくるかは興味深い問題です。
スマホの絵文字は、キャリアの壁を越えて相互にやり取りでき、ユーザーが便利でコミュニケーションが成立しやすいようにすることで価値を高めることに成功しています。
フォトレシピも同じようになれるはずです。
新しい価値アイテム(レシピ)やコミュニケーション(中間フォーマット)を実現することで、写真の価値、それを生み出すカメラの価値は高まっていくことになります。
(どなたかこんなサービスやりませんか?)
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