マネージャーかプレーヤーか。二者択一で考えないキャリア
私は30代でマネージャーとなりましたが、業界あるいは人によっては20代からマネジメントに携わる人もいるでしょう。
若くしてマネージャーとなった人の悩みは、現場からどんどん遠ざかってしまうことです。
もともとそのプレーヤー業務が好きだったのならなおさらです。
そして、キャリアパスとしては、マネージャーのあとはより規模の大きなチームを段階的に任されていくわけで、責任と権限が大きくなっていくと同時にますますプレーヤーから離れてしまうことになります。
実は私は混乱してしまったことがありました。
ないものねだりなのかもしれませんが、マネジメントをするほど、プレーヤー業務の面白さに惹かれてしまったのです。
メンバーマネジメントのなかで、部下の仕事ぶりを観察する中でこんなやり方もあるなとアイデアが浮かんだり、メンバーにアドバイスをしているなかで自分のノウハウが言語化できて再度認識を深めたり。
「いまの自分ならもっとプレーヤーとして成果を出せるのに」と思わずにはいられませんでした。
同じ仕事でも、プレーヤーとマネージャーで少し視点が異なるだけで、気づけることが全然違うんですよね。また一段深く仕事の面白さに気づけたのでした。
加えて、マネジメントは、つまるところ人の悩みですから。目をかけてたあいつが辞めるとか、手のかかる新人の教育だとか、どこにでも起きうる問題が例外なく私のチームにも発生していました。
自分はずっとマネジメントがしたかったんだっけ? 転職エージェントがやりたくて転職してきたんじゃないのか? かと言ってスペシャリストとしてマネジメントに携わらずにずっとプレーヤーをやりたいかというとそこまでの踏ん切りはつかないし。
このとき、私は今後のキャリアを、マネージャーを続けるか、プレーヤーに戻るかの二者択一で考えていました。
そんなときに、気の置けない元上司と話をする機会があって言われました。とても軽く言われました。
「どっちもやったら?
重く考えずに、マネージャーとプレーヤーを気軽に行き来してみればいいのでは?」
私はどうやら、キャリア(役職)は上に上がっていくイメージで、一度上がったら下がらないようなものだと、知らず知らずのうちにイメージしていたことに気付かされました。自分の思い込みにも、元上司のあまりに軽いスタンスにもびっくりしました。
私はまだ30代。これからマネジメントしかしませんプレーヤーはしません、だなんてスタンスだとむしろ可能性を狭めてしまいそうだなと窮屈にも感じていたので、すごく肩の力が抜けたのを覚えています。
特に若くからマネジメントに携わる方へ。
もしかしたら、私のように凝り固まった考えではなかったかもしれませんが、マネージャーとプレーヤーは行き来できるものだと心得ましょう。どちらかを選べばどちらかの道が断たれるなんて二者択一で考える必要は一切ないのです。
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