どうして仕事がそこまで好きなのか?

私は企業で採用担当をしています。
対象となるのは障がい者手帳がある大学生や社会人です。

とある大学から「多様性について」授業をして欲しいと依頼があり
約2年ぶりに“対面授業の講師“をしてきました。
オンラインとは違う緊張感、そして学生から伝わってくる
ノンバーバルな感想。伝わっているか、納得性があるかは
彼らの表情から本当によく読み取れます。

さて、その講義が終わり1名の学生が質問にやってきました。

その学生は唐突に「就活をする際は黒スールを着なくてはいけないのでしょうか?」と。。。

多様性の授業を受け、個性の話もしたにもかかわらず、
「スーツの色」の質問をしてくるとは、何かあるな!と察知をしました。
案の定、海外留学から帰ってきて、みんなより就活の時期が遅れている。
大手企業も募集はほとんど終わっています。
焦りと、不安と、そして、留学先では“私”を大事にしてきたのに
日本ではそれをどこまで出していいかわからない戸惑い。。。。

留学した学生の多くが帰国すると感じるギャップかもしれません。

多分、その学生は決して「スーツの色」が不安だったわけではなく、
それ以外のことに不安があり、けれども、企業の人にどう聞いていいかわからず
そういう質問になったのだと思います。

少し話を聞けたので、

「あー留学先ではありのままの自分でいられたんだね。
 ここまでやってこれた自分を褒めてあげてね」

と声をかけると、学生の目から大粒の涙が。

高校の時留学をしていた私も、自分自身をさらけ出せるようになるまで
時間がかかり、その間は友達もできない、言葉もできないのできないオンパレード。
けれども、何かの出来事がきっかけとなり、そこからは堰き止められていた
水が流れ出るようになんでも上手く進んでいくようになりました。

きっと、そんな経験をこの学生も異国の地でしていたのに、
日本に帰ってきたら、そうもできない窮屈さと闘っている。

それがわかるだけに、“自分を褒めること“を自分から遠慮して、辞めてしまいます。

採用担当として仕事をする面白さはなんですか?
仕事の面白さはどこにありますか?

と聞かれることが多いです。

私の答えはいつも同じです。

「人の人生の一端に関わることができること。
 そして、私の言葉や行動で、その方が次の一歩を踏み出せる
 ちょっとしたきっかけになれること。」

と話しています。

私が採用の仕事をしたい!と思うようになったきっかけをくれた
先輩社員がいたように、私も次の後輩たちに、次へ踏み出すメッセージを
届けていきたいと考えています。

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