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こやま淳子のマンガレビュー

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東京マンガレビュアーズに寄稿したレビューをまとめました。
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才能は、賞賛を生めば嫉妬も憎しみも生む。それでもやっぱり、創作はすばらしい 『ル…

【レビュアー/こやま淳子】 2人の才能の出会いから始まる物語 2人の才能が出会うとき、その…

作者が身を挺して伝える、女vs男の単純構造では語れないジェンダー社会の複雑さ『女(…

【レビュアー/こやま淳子】 なんで女なんかに生まれてきたんだ。セクハラの話を、他人に伝え…

女子の欲望全開!イケメンパラダイスなヴァンパイアたちは幸せな死を迎えられるのか?!…

【レビュアー/こやま淳子】 美しくて恐ろしいヴァンパイアの新ルールこれはヴァンパイア漫画…

いくえみ綾が描くダメ男のダメな日常と少し渋めのファンタジーに、人生の機微を見た『…

【レビュアー/こやま淳子】 いくえみ綾作品の機微は、男性にわかるのか?いくえみ綾先生の漫…

韓流ドラマ好き必読。東村アキコの描く、20年越しの両思いと衝撃展開の恋愛漫画『私の…

【レビュアー/こやま淳子】 この展開は、韓流? 東村アキコ流?子どもの頃、自分を好きでいて…

命か、真理か? あなたの生き様を問われる『チ。―地球の運動について―』

【レビュアー/こやま淳子】 マンガ大賞2位を取った話題作真理や思想を捨てなければ死が待っ…

「のだめ」のクラシックブーム再来?! 二ノ宮知子氏が15年温めた「宝石の話」に、石の見方が変わった『七つ屋志のぶの宝石匣』

【レビュアー/こやま淳子】 「のだめ」の二ノ宮先生が描く、宝石トリビア系・人間ドラマ私は宝石の価値がわからない。正直あんな石っころに何十万も何百万も何千万も出す人の気持ちは全くわからない、と思っていた。しかし『七つ屋志のぶの宝石匣』を読むと、宝石に対する見方が変わってくる。 舞台は、江戸時代から続く老舗質屋「倉田屋」(ちなみに「七つ屋」というのは質屋のことらしい)。その跡取り娘・志のぶと、倉田屋に幼い頃預けられた訳ありのイケメン・顕定を中心に物語は展開する。人間ドラマあり

「正義のために命を落とす子」か「臆病で命が救われる子」かーー。この問いに、あなた…

【レビュアー/こやま淳子】 私には子どもがいない。あまり欲しいと思ったこともないほうだと…

6年会話のない夫婦の漫画を読んだら完全にミステリー漫画だった『妻が口をきいてくれ…

【レビュアー/こやま淳子】 妻に6年も口をきいてもらえなくなった原因は? 「片方だけの主張…

家族も姉妹も、みんな異国の人。突き放すようで心地いい言葉たちに救われる物語『違国…

【レビュアー/こやま淳子】 家族を亡くした痛みとどう付き合うか家族を亡くしたときの過ごし…

戦争、格差社会、PTSD……いま、痛いほど沁みる80年代の名作少女漫画『ぼくの地球を守…

【レビュアー/こやま淳子】 色あせることない少女漫画の名作同世代の少女漫画好きと話してい…

おかしいのは、自分か、政治か?ラブコメで炙り出される“永田町のフシギ” 『恋と国…

【レビュアー/こやま淳子】 正直いって、私は政治がよくわからない。コピーライターとして、…

女が男の餌食になる?山岸凉子の衝撃作に描かれた「ジェンダーの呪縛」がトラウマレベ…

【レビュアー/こやま淳子】 こっちの歴史が正しいに違いない!?またもやコロナで自粛生活を…

春画がテーマの江戸時代版『バクマン。』に見るものづくりの本質『写楽心中 少女の春画は江戸に咲く』

結婚した直後、「ちょっと毒舌があまくなったね。」と言われたことがある。 その頃、毎年出していた週めくりカレンダーの文章(毎週ちょっとひねくれた言葉やハッとする一言を書くというものだった)も、「しあわせが滲み出ちゃってる。」などと言われたりして、ちょっと焦った。 ものづくりって難しい。愛を知らなければ愛については書けないが、満たされすぎてもまた書けなくなる。たしかに、それまではスラスラと浮かんでいた毒のあるフレーズが、捻り出さないと出なくなっていた。 (ちなみにその後半年