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ニュースウオッチ9③拡大解釈

➁「隠蔽工作」からの続き/


12/10付けの朝日新聞デジタルの記事に、NW9に出演したご遺族の証言が載っています。NHKへの抗議の声です。

この記事では、取材時の態度から問題発覚後の対応に至るまで、NHKの不誠実さがあらわになっていますが、私はこれを読んで「さもありなん」と思いました。同じような目に遭っているので、意外性はなかったです。驚くとしたら、自分の時と実によく似てる、という点ですかね。番組が違っても担当者が別でも、やることは同じなんだと思いました。

もはや「天下のNHK」幻想は、私の中でとっくに崩れているのです。

内情を知らない世間一般の人は、こういう事件があると「まさかあのNHKが?」とびっくりするらしい。キャスターの長野智子さんはこの記事を読んで「絶句した」そうです。

取材担当者やNHKの上司が、意見書で述べている「広い意味で。。」という言葉の不誠実さ(中略)
「報道取材で最も大切にすべきは取材相手との信頼関係」だと繰り返し教えられた。そんな基本的な姿勢さえもNHKを代表する報道番組にないということは衝撃でしかない。

朝日新聞デジタル「NHKがすり替えた本当の「遺族の声」は」のコメントより。強調筆者。

確かに「衝撃」ですよね。公共放送がこんなに不誠実でいい加減だとは思わないでしょ、普通。私も当初はショックの連続でした。もう慣れましたけど。何があってもおかしくないと、今は思っています。

実際、この1年あまりの間にNHKの不祥事は立て続けに起こっていて、この前の取材メモ流出など、報道機関としての存在意義を無に帰するような重大事件もありました。それ以外にも表面化していない不正や不祥事や捏造が山ほどあって、たいていはもみ消されているんでしょう。私の時もあやうくもみ消されるとこでしたよ。菓子折りひとつで。(送り返したけどね!)

長野さんはニュースウォッチ9のことを「NHKを代表する報道番組」と書かれていますが、NW9もクロ現も、その名に価するかと言うとかなり疑問です。ニュースやドキュメンタリーは事実を正しく伝えるのが大前提なのに、その努力をはじめから放棄している。制作側が設定したシナリオありきの作り方で、いってみれば「フィクション」なんですよ。

そうでなければ、ひきこもりでない人をひきこもりに仕立て、コロナワクチン接種後に亡くなった人の遺族をコロナ感染死した人の遺族に仕立てる、なんてことは起こらないはず。前回も書きましたが、うっかりミスや認識不足ではそうはならない。故意の捏造です。

シナリオへの嵌め込みに失敗して今回のような事態に発展してしまうと、彼らはひたすら保身に走ります。「公共放送の看板番組」に傷をつけまいと必死なのか、長野さんが「不誠実」と批判し、BPOが「にわかに信じがたい」と疑問を呈した、とんでもない言い訳が出てくるんですね。

それが「ワクチンで亡くなった人の遺族であっても、広い意味でのコロナ禍で亡くなった遺族には変わりないと考えてしまった」です。「NHK 捏造の系譜シリーズ」では、①~③までこの言葉を中心にしつこく記事を書いてきましたが、これこそまさにNHKの不誠実な姿勢を象徴するような、言い訳のひとつのパターンなのです。

A:コロナワクチンで亡くなった人をあたかもB:コロナ感染で亡くなった人のように報じる。→当事者から抗議される。→「AもBも一緒だから問題ない。間違ったことはしていない」と主張。

これと同じことを私もやられました。

「働きたいと思っても、その一歩が踏み出せません」という事実無根の内容を報じる→本人から抗議される→「働く」という言葉を拡大解釈。A:企業に雇用されて働くだけでなく、B:自営で開業(私が構想していたこと)も含むから、間違ってないと主張。

でも、文脈からして番組VTRのナレーションは、Aの一般的な意味での「働く」を指しているとしか思えないんですよ。Bだとしても「その一歩が踏み出せません」とは矛盾してます。事業計画書まで書いて、物件も準備してたからね。

彼らは捏造を抗議されると、突如として言葉の定義(拡大解釈)をはじめるんです。話の流れを無視していきなりこれやられると、相当頭にきますよ。だってあまりにも失礼でしょう。それまで両者の間で、さらには世間一般で、暗黙裡に共有されていた認識を一方的に捨て去り、強引に言葉の再定義をする。勝手な拡大解釈をして、自分たちの不正行為をうやむやにするんです。

いったい何様だよ?って思います。議論をする上で言葉を定義することは必要ですが、一方的にしていいものではありません。定義というのは、前提として共有されるべきものだからです。ましてや、報道被害を訴える取材先との話し合いですよ? 「日曜討論」の政策談義とはわけが違う。まずは素直に謝るのが筋でしょう。

ちなみに、さっきの言い訳「 ワクチンで亡くなった人の遺族であっても、広い意味でのコロナ禍で亡くなった遺族には変わりないと考えてしまった 」は7月21日にNHKが出した報告書にも記されています。この日、NHKは記者会見を開いて、関係者の処分を公表しました。会見の模様を伝えるニュースでもこの言い訳が取り上げられました。


このように誠意のかけらもない言葉を公表したら、ご遺族の心情をますます逆撫ですることになる。ほとんど嫌がらせの域ですよ。

コロナ感染で亡くなった人とコロナワクチン接種で亡くなった人では、死因がまったく異なります。NW9に出演した3人のご遺族は、ご家族をワクチン接種後に亡くされています。ワクチンの薬害を訴え、同じように悩んでいる人たちを助けるために、勇気を持って実名・顔出しで取材に応じたのです。

彼らにとって、ご家族が「コロナワクチン接種で亡くなった」という事実はきわめて重要な点であり、「コロナウイルス感染で亡くなった」かのように報道されるなどもっての他なのです。二つの死因をひとまとめにするような言い方は、NHKの報告書にもBPOの意見書にも記されていますが、こんな風な言い訳自体が故人への冒涜であり、遺族への人権侵害です。さすがにこれはまずいよね。

BPOの決定を受けてNHKはどう出るか?と注目してたんですが……。

BPO検証委の意見書が公表された12/5のNW9は、日本人メジャーリーガー移籍のニュースで幕を開けました。え、例の件はどうなったの?とご遺族の方のみならず多くの視聴者が、肩透かしを食ったことでしょう。結局、放送開始から20分以上たってようやく委員会決定の件(放送倫理違反あり)に言及したというから、ふざけた話ですよね。

絶対に非を認めないぞ、という強い意志を感じました。ここまでコケにされたら、ご遺族の側も徹底抗戦するでしょう。そうすることでNHKの欺瞞があぶり出され、ワクチンの被害も世に知られることになりますし。全面対決は不可避と思われます。


【追記】長野智子さんの驚き方、やけに大げさな感じもするけど気のせいですかね。テレビ業界長い人だから、いろいろ知ってそうなものだけど。
キャスターやアナウンサーは編集作業には関与しないんだろうし、案外そんなものなのかなぁ。試写の場でVTR見ても、捏造・歪曲に気づかないといわれますよね。
クロ現の元キャスター国谷さんも、「出家詐欺ヤラセ報道」について、著書でそんなふうに書かれてました。ホントのところはどうなんでしょうね?


④「印象操作」へ続く 


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