普通の基準点『出木杉レベル１１』を考える

「恋する以前に普通の男がいないという悩み」という記事を興味深く読ませてもらったんですが、『女子の求める普通』というセンテンスにて挙げられていた要件を満たす男性がなかなか見つからなくて困っているそうです。

元記事より引用します。

・清潔感がある
・挨拶やお礼がちゃんとできる
・常識があり、人の目が気になるようなことはしない
・素直である
・人に気が使える
・計画性があり、全体のことを考えられる
・男尊女卑ではない
・話し合いができる
・尊敬できるところがある
・コンプレックスが強くない
・金銭感覚が合う

以上が『女子の求める普通』の基準点になるのだそう。よくよく基準点を見ると、これが出来ている人はドラえもんで言う『出木杉くん』レベルのぐう聖人なのでは…こんな器量の良い人間、女性にしろ男性にしろ、さぞや競争率が高いことは予想が付きます。

出木杉レベル１１の人間

前述の要件を満たすことを便宜的に『出木杉レベル１１』と呼びますが、『普通を求める女性』からすると出木杉レベル１１は必要最低限の条件となります。

画像引用：『てんとう虫コミックス『ドラえもん』シリーズ』より

「普通でいいから彼氏が欲しい」という言葉だけを捉えると「なるほど大変なんだな」という印象を受けますが、蓋を開けてみると「出木杉レベル１１でいいから彼氏が欲しい」という、条件的になかなかトンデモレベルに見えてきます。そこにドラとして顔レベルや財産レベルが乗った上で吟味を開始わけですから、「顔がね」「フリーターはちょっとね」という条件によって自分の中でフルイに掛けることになります。察するに『普通』という基準が異常に高い位置にあり、なおかつ『出木杉レベル１１』から減点方式で評価するので更に選定は厳しくなるという悪循環です。

てんとう虫コミックス『ドラえもん』シリーズ｜小学館

ちなみに出木杉レベル１１は当然ながら自分自身にも当てはめることができるので、気になる方は自分の足元からチェックしてみると面白そうです。少なくとも出木杉レベル１１を達成している人間は友人たちの集まりで悪口めいた話はしなさそうですし、出来ていない部分に対して言い訳めいたこともしないことは用意に想像できます。そういう人間的な弱さに対して自分を律する事ができる人は自然と尊敬を集めることでしょう。いわゆる『徳が高い』というやつです。

出木杉レベル１１を達成することの難しさ

徳は減りませんが、積み重ね続けねば誰かから見た徳は褪せていきます。
普通であるということ。上記の基準にすると、いつ如何なる時にも清潔感を保ち、礼儀や礼節を忘れず、素直で人に対し気を使い、計画性を持ち全体のことを考え、男女隔てなく、困った時には話を聞き、意見を出し合い、尊敬をし、またはされ、卑屈にならず、金銭感覚を身の丈に収めねばなりません。

雨ニモマケズのような内容ですが、見方を変えて選定方法を加点方式にしてみてはどうでしょうか。『基本的に出木杉レベル１１は達成出来ていない』のを普通とすれば、相手の良きところを加点していくことになりますし、長所短所という言葉の通り、パートナーと補い合って初めて出木杉レベル１１を達成できるかもしれません。

ちなみに僕は出木杉くんより『エスパー魔美』の高畑くんの方がかっこよく感じます。高畑くんも十分人間離れしているんですが、欠点が丸わかりなぶん、親しみと幾分かの憧憬を抱きます。

『エスパー魔美』新装版 全9巻｜小学館