一三機兵防衛圏のネタバレ感想
ガンパレっぽいという情報しか入れずにプレイできたのは僥倖だった。究明編99%で、あとは100%なので一通り網羅できたんじゃなかろうか。
めっちゃネタバレしてるので、ファーストビュー分を埋めるために以下に一三機兵防衛圏のあらすじを引用。このゲーム、構造のネタバレだけでプレイする意義が500%ぐらい損なわれるので、プレイしたい人は読まないほうが良いです。
1980年代の架空の日本を舞台に、滅びの運命に抗う13人の少年少女を描くドラマチックアドベンチャーゲーム。オリジナルリアルロボット「機兵」に搭乗してのシミュレーションバトルもある。
本作は、日常の異変について探索するアドベンチャーパート”追想編”、機兵に乗って敵と対峙するシミュレーションバトルパート”崩壊編”、物語を俯瞰して考察できるアーカイブ”究明編”で構成される。
叙述トリックとミスリード、騙される爽快感
SF史に残る名作という感想も見たけど、SFとしては凡庸と言うか、いやこれ大部分はマトリックス(『ニューロマンサー』は未読)じゃないの…という感じ。記憶の植え付けあたりは『トータル・リコール』とか?
叙述トリックとミスリードで物語に惹き込まれるあたり、素敵なSFミステリとして捉えるのが正解な気がする。これをSFの傑作だ!というのはちょっと先人の偉業に対して失礼じゃないのかなぁと思ったり。
それこそ優秀なのは物語の魅せ方で、制作サイドの意図したとおりに騙される爽快感と戦闘パートのチュートリアルがアドベンチャーパートの続きという切り口は本当に楽しかった。一人ひとりをクリアする度にチュートリアルを繰り返して「なるほど〜!我こういうの好き〜!」となったし、キャラクター自体の掘り下げも自然と進んだ。
あとは主軸時代設定が1985年というのがいい。今はコミュニケーションでは便利過ぎる世の中なので、そのあたりが不自由な時代設定にして、キャラクター同士の接触の不自由というか、スマホ使えば一発じゃん…的なノリを回避できてるし。ビデオテープで記憶の刷り込み、というのも逆に今の時代的に新鮮で良かった。
そういえば『ゲーム・ウォーズ(映画レディ・プレイヤー・ワンの原作)』も80年代が物語の大きなキーとなっていたっけ。おぉ、黄金の80年代!
ガンパレライク、試されるプレイヤーの想像力
硬派な戦闘パートの崩壊編。各キャラの特性を伸ばせば誰でも使えるようになるバランスはとても好き。個人的に大砲で敵をブッパするのが爽快で好きだったけど、中盤以降になると育成の方向性とサポート機能(エミッター系、インターセプター等)を充実させることで、戦闘がグッと楽になった。
作風にも依るけど、グラフィック重視の時代にボード上で駒を進めるような、硬派な方向性を選んだのは正解かなと。ガンパレード・マーチライクな『プレイヤーの想像力に委ねる』という方向に舵を切った勇気に惜しみない賞賛を送りたい。
個人的に金色ボスを倒すのが勝利条件のマップで、あえて第四世代で飛び越えていくんじゃなく、サポート機を付けつつ第1世代で侵攻、敵陣を突破させるロールプレイをしてみたけどアツかった。鞍部十郎、第四世界から来た絢爛舞踏…的な。詳細なグラフィックがオミットされてる分、世界が逆に広がる感じが素敵でした。
日本のゲームで久しぶりに時間を忘れてプレイできたし、おかげでステイホームも完璧でした。ありがとう!
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