見出し画像

エッセイ『牛乳石鹸のブックカバー』

 正和堂書店と牛乳石鹸共進社のコラボで、牛乳石鹸の赤箱と青箱のブックカバーが今、全国の書店で配布されています。所定の書店で文庫本を買う際、レジにて希望の旨を伝えると赤箱か青箱か、どちらかを付けてくれるんです。
 私はブックカバー収集を趣味にしておりますゆえ、こんなもの、知ってしまった以上は買うしかないやろ!ということで、もう、慌てて大垣書店へ向かったわけなんですが、この「文庫本」縛りが、また、いいじゃないですか。
 これまで何ヶ月か、あれも面白そう、これも面白そう、でもお金は無限ではないから、全部買うことはできないし、だいたい全部買ったところで読む時間も無いやないかい!と、溢れる欲望を抑える方向へばかり思考を持っていっていたところに、このブックカバーのキャンペーンですよ。「さあ、君、これまで諦めていた本たちを文庫本に限り、二冊まで自由に買い物したまえ」と神のお告げを聞いた気分である。実際は私が支払うんだから、自由に買い物できるわけではないんですけど、気分としてはそんな感じ。あれだけ抑制していた書籍購入欲が、牛乳石鹸のブックカバーキャンペーンにより、盛大に解き放たれ、私は時間の経過をものともせず、四条烏丸スイナ室町一階の大垣書店本店と、JR二条駅すぐビビ二条一階の大垣書店二条店の文庫コーナーを各四周ずつくらいして、吟味しまくりながら一冊ずつ購入しました。

 特別なブックカバーがもらえるっていう、ただそれだけで購入欲が燃え盛り、それが知的好奇心の沸騰に繋がり、いつにないそれなりの「大きな買い物」の達成感により、気分が解放される、という、この幸せな気分ときたら!
 普段の節制が幸せの「助走期間」になっており、そのうえ、「文庫本」を「二冊だけ」という縛りが助走に勢いを付けたわけです。これ、毎日を楽しく生きるというよりは、トータルで人生を幸せにするためのヒントのような気がしました。

蠱惑暇
こわくいとま

#note日記 #日記 #コラム #エッセイ
#蠱惑暇 #正和堂書店 #牛乳石鹸共進社
#牛乳石鹸 #ブックカバー #大垣書店
#読書の秋

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?