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デパ地下ちゃかぽこ

 職場に2週間に1回くらいの周期で来られる社長さんがいて、毎回来られるたびに美味しいものを持ってきてくださるので職場では「美味しいおじさん」と親しみを込めて読んでいるんですが、このおじさんが持ってくる美味しいものが毎回毎回「はずさない」んですよね。デパ地下のお菓子売り場なんかで実になんというか「やるな!」っていう美味しいものを買ってきてくださるんです。職場には仕事柄、そういう「美味しいもの」に詳しいお姉様方が多いんですが、そういったお姉様方をも唸らせるほど毎回ステキなセレクトなのです。

 それがカッコええなあ、と密かに思っておりまして、オレも普段からちゃんと「ええもん」に触れておかんとあかんなーということで、ここは一つ、オレもそうそう贅沢はできないとはいえ、月に1回くらいはデパ地下で上等なお菓子を買って「ええもん」を味わっておこうかと、さっそく大丸京都店の地下へ繰り出してみたわけですが、行き慣れてないものですからまず値段に萎縮してしまうんですよね。店員さんに話しかけられてしまったらなんとなくそこで買わなあかん感じになってしまい、それも困るし、、、などと思っているとじんわりイヤな汗も流れてくるし、美味しいとはいえ、ここでマールブランシュの茶の菓を買ったところでどうやねん?という気もするし、でも他のところはあまりにも情報がなさすぎるし、いやいや情報が無いから手に入れるために買うんやろがい!と脳内ツッコミをしつつ、しかし同じくらいのお金をせっかく払うならうんちゃらかんちゃらチャカポコチャカポコ。40分くらいデパ地下を彷徨いながら結局何も買えずに外へ出てしまう優柔不断。過ぎ行く時のなかでオレは何を求め彷徨ったんだろうか、布袋さん。結局オレはサレンダーしてしまったのです。サレンダーしたまま何を思ったかオレは四条河原町まで歩き、今度は高島屋の地下も彷徨って見たんですが、こちらは20分ほど彷徨ってみて早々とサレンダーしてしまいました。

 結局、なんというかオレには知識も無いし経験も無いから余裕も無い。ついでに言うと予算も無い。美味しいおじさんはこれまでの人生で幾度となくあらゆる場面で美味しいものを差し入れてきており(知らんけど)、知識も経験も豊富であるが故、きっとオレのような失敗はしないんです。いや、今日のオレは失敗すらできていません。失敗を恐れるがあまりサレンダーしてしまったのです。一歩踏み出してみることをしないといつまでも経験値は稼げません。知識を得ることもできません。それではいつまでもオレは「ええもん」に触れて美味しいおじさんになることはできないのです。このままではいけない。

 失敗を恐れず一歩踏み出してみるのだ!妻子にお菓子のお土産を買って帰るのだ!結果、子たちは将来オレと同じサレンダーを避けられるではないか!というわけで近いうち、デパ地下探検行ってきます。

#令和4年3月1日  #コラム #エッセイ  #日記
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