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時には不意を打たれたい

 誕生日プレゼントに頂いた『志村けん 160の言葉』を読んでいます。プレゼントで本を頂くのはめちゃくちゃ嬉しいです。読みたかった本を頂くのも嬉しいですが、自分ならまず買わない本を頂くのも新しい扉を開けるからありがたいものです。

 しかし、自分がそうであるからといって他人もそうだとは限らないので人に本をプレゼントする時は注意が必要です。まず、どんぴしゃで好きそうな本は既に持っている可能性があります。それは何よりも避けねばならないところです。ただ、例えばその相手が恋心を寄せている相手だったりすると、既に持っている本を贈るのも一つの手段かもしれません。「あなたのこと、わかってるでしょ?」というサインになるような気もします。ただし、それもジャンルによるでしょう。例えどんぴしゃだったとしても政治的思想が出すぎてしまっている書籍を贈ってしまうと、それを隠している人だった場合に嫌がられる可能性があります。

 『ドラえもん』で、誰が何を好いているかがわかるひみつ道具があってしずかちゃんが無類の焼き芋好きであることを知ったのび太がしずかちゃんに焼き芋を大量に持っていったら逆に怒らせてしまった話がありました。しずかちゃんは焼き芋が大好きだけど、そのことを誰にも知られたくなかったのです。意中のあの人に「焼き芋」を贈らないように気をつけないといけません。

 しかし意中の人のためにああでもないこうでもないと悩みに悩み、書店をぐるぐる3周くらいしてやっとの思いで購入したプレゼントをその人が喜んでくれたりするのは実に嬉しいものです。難しいからこそ、成し遂げた時の達成感や喜びは増すものですよね。なんにせよ、本のプレゼントは難しい。

 比較的簡単に済ますテクニックとして「ウケ狙い」があります。相手が欲しい本でなかったとしても「冗談じゃないですか」と言えますし、冗談とはいえ一冊2000円くらいする本ですから相手も露骨に嫌な顔はできません。だからこそ迷惑であるという考え方もありますが私なんかは先程も書いた通り、新しい扉が開く気がしてウケ狙いで頂く本もありがたいことに変わりはありません。みんながみんな私のような人間であればよいのですが。

 というわけで十中八九「ウケ狙い」込みで頂戴した『志村けん 160の言葉』ですが、これが実に面白い。高校生の頃、同級生の家に遊びに行ったら部屋に本がズラーっと並んでいて感動した志村さんはそこから一冊、山本周五郎の本を借り、そこで初めて読書の面白さに気づいたそうです。読書に限らず、そういう「不意打ち」な出合いによって好奇心は刺激されるものですよね。今はインターネットで軽く予習できちゃうから意識的に狙っていかないと不意打たれない変な世の中ですけど、改めて「不意打ち」の大切さを知りました。

 ラジオにもそういう面白さがあると思うんですがどんなもんでしょうね。

#令和4年2月8日  #コラム #日記 #エッセイ
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