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小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクト 喜歌劇「こうもり」観劇

 小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトのオペラを観に行ってきました。ヨハン・シュトラウスII世の喜歌劇『こうもり』。めっちゃ有名なオペラなので名前くらいは知ってた。たぶん野球をよく知らない人でも大谷翔平は知ってるっていうのと似てる気がする。

 ロームシアター京都での観劇は久しぶりです。コロナ以降は初めて。上演時間3時間半と知り、オペラなんぞほとんど観たことない私は集中力が持つのだろうか、と開演前に思っていた私を叱りつけてやりたい。3時間半というのも休憩時間を含む合計時間であり、全3幕、間に2回の休憩が25分ずつあるので全部で2時間ちょっとですかね。めちゃくちゃ面白かった。長丁場でもトイレの心配が無いのもありがたい。トイレ休憩にしては25分は長いやろと思っていた私のことも叱りつけてやりたい。大掛かりな舞台装置を転換するのには25分でも足りないくらいじゃないかしら。

 あらすじはなかなか簡単にはまとめられないんですが、第二幕の晩餐会の景色がとにかく眩しかった。絢爛豪華、酒池肉林、飲めや歌えや踊れや飲めや。舞台上(の設定)にはコロナはありません。私はコロナ前もあんな晩餐会に出席したことはありませんが、なんだかとても懐かしく思えた。と、同時に「あんなに舞台上に人が密集して近くで飛沫が飛びまくってるのに大丈夫なんかな」という心配が脳裏を過ぎり、のめり込みきれない自分が、あるいは時代が、悲しかった。

 ドイツ語上演で舞台両袖に日本語字幕が出ておるのですが、二幕では主要人物の二人が物語の中でフランス人に変装してフランス語で語り合う場面がありまして。ドイツとフランスってお隣同士ですけど言語は全く違ってて、ドイツ人はフランス語を全く話せないし、逆もそうだということを知ってはいたけど、改めて実感。異なる言語でのコミュニケーションをすごく上手く喜劇にしていました。ドイツ語が母語の二人が片言のフランス語でやり取りする様を字幕ではカタカナで表記したり、ちょっとおかしな日本語にしてみたり、翻訳という仕事は面白いものだな〜と感心しました。

 第三幕は刑務所が舞台で看守としてイッセー尾形さんが出ていたのですが、これがまた素晴らしかった!私は20年ほど前にイッセー尾形のワークショップで一度だけ演劇を習っているので勝手に先生やと思ってるんですが、先生のお姿が実にカッコよかった。出演していた他の演者さんがどういう人たちなのか、全然知らないんですが、オペラの世界の人たちに囲まれてもその存在感は際立っており、一挙手一投足に釘付けでございました。

 演劇って終わったあと、何回も幕を上げ下げして整列する演者さんたちに拍手しますよね。開演前に「コロナ禍なのでブラボーなどの掛け声はお控えください」って言うてて何を大袈裟な、て思ってた私を叱りつけてやりたい。エンターテイメントとして究極やと思いました。

#令和4年3月19日  #エッセイ #コラム #日記
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