ご結婚パーティー
昨日はご結婚パーティーの司会をしました。新郎は大学時代からの友人でして、もう二十年以上のお付き合いですから、来賓の皆さんもほとんど知り合いばかりだろうと思っていたら7割ほど知らない人だったので、もちろん新婦のご友人も来られていたわけで、新婦のことももちろん知ってはおりますが新郎ほど付き合いが長いわけではなく、新婦のお知り合いとなると一人も知らないわけですから、来賓に知らない人が多いのは当たり前といえばそうなんですが、それでも新郎との付き合いの長さゆえに7割くらいは知り合いだろうと思っていたものがちょうど逆の割合だったので驚きました。
新郎はベーシストでバーテンダーです。巷では付き合ってはいけない職種として美容師とともに挙げられる二つの職業を兼務しておるわけで、確かに付き合ってはいけないかもしれないですが、それは結婚したら伴侶を大切にするという意味なのかもしれないと思いました。
バンドマンらしくご結婚パーティーの会場となったのは新郎が学生の頃からずっとお世話になっている京都の老舗ライブハウスでした。ここは私も新郎のそれと同じくらいの時期から大変お世話になっており、それゆえに勝手にホーム感を増してしまっていたことも、ほとんど知らない人ばかりだったことについて驚いた理由の一つかもしれません。
新郎新婦のお知り合いのバンドや新郎自らベースを弾くバンドが演奏をして、新郎の友人のパティシエが作ったウエディングケーキの入刀があり、豪華プレゼントの当たるビンゴ大会があり、実に盛り上がったし、実にあたたかいパーティーでした。
ビンゴ大会が終わり、1等のニンテンドーSwitchライトを当てた人を羨ましいと思っておったのですが、宴会が終わり、自宅で焼酎ハイボールを飲みながら思い出してみますと、そういえばビンゴって本当にみんなが正直に数字を潰していってるかってわからないよなーと思いました。出鱈目に数字を潰していってあまり怪しまれない程度のテキトーなところで「リーチ!」と叫んでからさらに何回か待ったうえで「ビンゴ!」と叫べば誰だってまさか嘘の申告をしているとは思わないのではないか。しかし、私はそのようなことに思いを巡らせてしまったこと自体に恥ずかしさが込み上げてきまして、この恥ずかしさの源泉となるのがモラルというものなのではないかと思いました。あの会場でそのような悪いことを考えていた人は一人もいなかったにちがいない。6リーチくらいありながら結局ビンゴには至らなかった方もいました。ビンゴというのは、参加者全員の善意があって成り立つものであり、それが当然のように成り立つ社会に生きている幸せは当たり前ではないのだと思い直すことができたので、モラルのかけらもないゲスな思考に辿り着いてしまったこともヨシとしよう。
最後に新郎のバンドの演奏が終わり、参加者全員で写真を撮ろうということになり、私は端の司会席から皆様にシャッターに収まるように真ん中に寄ってくださいとアナウンスしておりましたら、私の学生時代からの先輩で京都で音楽スタジオを経営されているKさんが「涌井くんも入らないと」とおっしゃってくれたのが私は思いのほか嬉しく、そのことについてお礼を言いたかったのですが改めてありがとうございますというほどのことでもないとご本人が思われるかもしれないので結局何も言わなかったのですが、やっぱり伝えておいたほうがよかったかなと思いつつ自分の気が済むだけのためにここに記しておきます。ちなみにKさんは私がオープンするお店の1人目の客になることを趣味にするきっかけをくださった方でもあります。ありがとうございます。
新郎新婦が末永くお幸せでありますように。ご結婚おめでとうございます。