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昨日の1人目の客になれなかった話〜長刀鉾町編〜

 これは昨日のお話です。

 涌井慎です。趣味はオープンしたお店の1人目の客になることです。わらび餅iroiroの1人目の客になった私は、その足で職場へ戻る前にもう一軒、本日オープンするお店へと向かいました。四条烏丸の東急ハンズのお隣に一風堂がオープンする、しかも午前11時オープンならば、わらび餅とはしごしてダブルで1人目の客を狙えるやないか、というわけで急ぎ足で向かいました。

 2年前の9月まで大丸京都店の隣にあった一風堂がまた帰ってくる!というわけでそれなりに界隈で話題になっておりました。そんなに思い入れがあるわけではありませんが、私には趣味に対する思い入れがあります。新しい一風堂は四条通り沿いの地下1階。地上には既に花輪が飾られており、開店前の雰囲気ができあがっておりましたが、まだ誰も並んでいません。1人目の客になれるんやないかとワクワクしながら地下への階段を降りていきますと、階段奥にイスが2席。ああ、ここに客が並ぶのか。よしよしまだ誰も座っていない。

 しかし階段を降りていくと、階段からは死角となっていたお店の入口に、おじさんが鎮座しておりました。それは置き物のようで鎮座というよりは安置という感じでしたが、やはり置き物ではなくおじさんでした。私は引き返そうとしたのですが、諦めきれず、「並んではりますか」と尋ねると「はい」と返ってきまして、いつもならこれで諦めるのですが、おじさんがなんともにこやかで徳のある感じでしたので、おそらく鎮座とか安置とか書いたのは、その柔和な雰囲気がそうさせたのかもしれないと思いつつ、「実は僕、オープンしたお店の1人目の客になるのを趣味にしてましてね」と言うと、おじさまはにこやかに「そうでしたか、それは残念でした」とおっしゃるので「ひょっとしたら事情を話したら譲ってくれるかもしれない」という一縷の望みは断たれましたが、「僕は前の一風堂からずっと思い入れがありますから今回は絶対に1人目になろうと思ってたんですよ」とおっしゃるので、逆に私が1人目にならなくてよかったと思いました。

 おじさんは10時過ぎから並んでおられ、その時はまだ地下へ通じる階段が封鎖されていたから地上に並んでいたそうなんですが、「もう、最初は上で並んでたんやけど、それが恥ずかしくて恥ずかしくてね。すぐに地下に案内してくれたからよかったんやけど、あんな恥ずかしい思いはもうしたくないですわ」と笑っておられました。その恥ずかしいことを趣味にしているのが私です。

 このおじさんより先に食い終えてお会計を先にすれば実質私が1人目の客なのではないか、と思いましたが、残念ながら食券制でした。

 令和4年11月19日(土)午前11時ちょっと前にオープンした一風堂の2人目の客は私です。

替え玉しました。
食欲をかきたてる看板


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