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読書の記録『2035年の世界地図』

最近、考えるとはどういうことなのか、ということを考えています。何かわからないことがあればネットで検索することが「考える」なのか、違いますよね。考えるというのは、非効率で時間のかかることだから、仕事や勉強に追われていると、ついつい、ショートカットしがち。どうやってショートカットするか、というと考えたことにするんです。

このショートカットは質が悪く、どんな難題に対しても「それって要するにこういうことでしょ」で終わらせてしまう。時間をかけて考えている人たちを「まだそんなことしてるの」とバカにさえしてしまう。こういうのは学びを忘れた謙虚さのカケラもない大人たちのよくやることで、こういう人たちに限って現代の子供たちが映画を倍速で観ることに苦言を呈したりする。いやいや、考えることを止めたあなたたちに比べたら、考える時間を得るために倍速視聴しているんだとしたら俄然発展的ですよ。

さて。
本書は「考える」ってこういうことを言うんだな、っていう見本のような一冊です。エマニュエル・トッドさん、マルクス・ガブリエルさん、ジャック・アタリさん、ブランコ・ミラノビッチさん、さらには與那覇潤さん、市原麻衣子さん、東浩紀さん、小川さやかさん!まさに現代の「知の巨人」とも言える人たちが近未来の世界、日本の姿を予測しています。賢人と呼ばれる人たちほど、妄言虚言に惑わされず、腰を据えて考えています。そんな彼らの金言を、私たちは私たちで決して鵜呑みにすることなく、そこからさらに考えて考えて思考を未来に繋いでいかねばなりません。その作業はとてつもなく疲労し、とてつもなくカロリーを消費します。膨大かつ重大です。ネットでつまみ食いした付け焼き刃な思考ではとてもじゃないけど「要すれない」。

印象深い、記憶しておきたい言葉が出てきたらとりあえずスクショして読み進めましたがスクショだらけになりました。面白いです。


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